『宇宙人はカップ麺を食べるか✨』
やましん(テンパー)
『宇宙人はカップ麺を食べるか』
かれらは、広大な宇宙を渡ってきた。
地球を目指して。
地球には、『カップ麺』という、素晴らしく高貴な食べ物がある。それを食べると、寿命が10倍になるという。
それは、まさしく、伝説的な神話である。
遥かなむかし、先人たちは、地球のカップ麺を食べた。
一万年前、ぼろぼろな、小さな無人宇宙船が流れ着き、そのなかに、密封された『カップ麺』が、入っていたという。
地球の位置を示すプレートもあった。
しかし、まだ、地球に行くことはできなかったのだ。
宇宙は、広すぎるから。
が、いまや、準備は整った✨
かれらは、高度な科学技術を持ってはいたが、激しい環境破壊による絶滅を寸前にして、ようやく空間跳躍を完成させて、ついに惑星から脱出した。
🌏️
地球人類は、のこり、20人ほどになっていた。
しかも、みな、年よりばかりである。
比較的若いものは、ふたりしかいなかったが、どちらも50歳過ぎていた。
かれらは、人類の絶滅を悟った。
あるひ、ついに、最後を遂げるために、村の会堂に集合した。
『人類に、最後の時がきたのです。わが、神に、最後の報告をし、その歴史に幕を下ろしましょう。』
村長さんは、長年閉じたままの祭壇を拡げた。
『おお。かみよ、いまこそ、人類は終わりの時を迎えました。生きとしいきるものすべての種に、必ず、終わりはきます。その時に立ち会えたことを、われらは、みな、誇りに思います。かっぷめんさま。』
『おお。かっぷめんさま。うんじゃあまいやらーめんくいにこ〰️〰️〰️〰️。うんじゃあまいやらーめんくいにこう。』
祭壇には、大きなカップ麺が祭られている。
村長は、みなに、最後の小さなカップ麺を配り、お湯をついで出回った。
しかし、祭壇のそれは、カップ麺に姿を借りた、600キロトンクラスの核融合爆弾である。
村長は、おごそこかに、最後の祈りをささげた。
みなは、最後のカップ麺を戴いた。
『いざ。』
村長は、絶滅のスイッチに、手を掛けた。
ああ、そのとき、会堂の前の公園に、宇宙人たちの飛行船が着陸したのである。
そして、やせこけた、宇宙生物が現れた。
彼らは、しかし、あらゆる種の保存技術を持つ。
『ややや、カップ麺さまだ。おお、なんという、高貴で美しい姿よ。ついに、われらは、カップ麺さまにたどり着いたのだあ。』
🧁🍜🍥🧁
🙇
『宇宙人はカップ麺を食べるか✨』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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