霧のほし
ましま みはる
第1話 プロローグ
薄明かりの朝、遠くの山並みが柔らかな光に染まり、静寂な世界をそっと映し出している。
桜の花びらがひらひらと舞い落ち、記憶の奥底に温かな情景を刻む。
しかし、その静けさの中に、濃淡を帯びた霧がひそかに漂い、まるで心の内側を映す鏡のように存在している。
霧は、冷たさと温かさ、陰と陽を静かに織り交ぜながら、過去と未来、そして選び抜かれた道の行く先をぼんやりと映し出す。
その曖昧な存在は、希望と不安、果てしない問いを内包しながら、やがて誰にも告げずに新たな一日を迎える。
そして、私が歩んできたこの道が、いつか未来に生まれる君たちにどんな問いを残すのだろうか。そっと胸の奥で反芻する。
ねぇ、あたしの、この選択って、本当に合ってるのかな…?
霧のほし ましま みはる @harufin0707
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