第壹章 霞童子悲恋譚⑦狭穂彦王の叛乱の真相〜四道将軍・丹波美知能宇斯〜 ※文中にイラストリンク有り
朔「【四道将軍】は有名だからわかるよな」
その内の1人は『御伽噺の桃太郎』のモデルになってるね、と癸が言ったので一同は何となく理解したようだ。
朔「この【四道将軍】に【
この男は【
燎「手籠めにされた【
燎は、【水頼比売】はいわゆる【強制性交】の結果【美知能宇斯】を懐妊したので『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』の心情で、『呪い殺したい』ほど恨んでいたと言った。
燎「だが、この男………あの【鬼畜外道野郎】の子にしては【仁義礼智信】の【五常】を持ち合わせた『マトモな人間』だった」
【五常】とは人間が常に持ち合わせていなければならない【道徳観念】のことである。
満「【甲賀・
満の元にいる【漂白の者】の中に【ヤマトタケル】がいる。名を『
やっぱりマトモな人間から【英雄】は生まれるんやな、と満はウチの子がスゴいとドヤる。
朔「お前の脅しが効いて、【日子坐】は【水頼比売】を他よりは気にかけてたじゃねえか」
『他よりは』と言う辺り、待遇の良し悪しが微妙だ。
燎「【天女】は滅んでいないからな………もっとも、アレを切っ掛けに『民族大移動』したから手出しできなかったと言うべきだろうな」
燎は、【水頼比売】が手籠めにされた後【
洸「【遊牧民】みたいになってるぞ」
燎「因みに、彼女たちが【ヴァンウルフ】の小僧たちに夜這いして襲いかかった『肉食系女子』だ」
身を護る武器を持たないから、『強き者』に依存する性質になってしまったようだ、と燎は嘆いた。
朔「なんだそれは!初めて聞いたぞ!」
朔の言葉に、燎はその娘たちは【風魔五番隊】が拠点にしている【
洸「適材適所だな」
【吉原】は【くノ一部隊】の【風魔五番隊】が表向きは【料亭】だが、内部は【吉原遊廓】という【裏社会】である。そこには、【元犯罪者】や【孤児】などもいて【更生】や【教育】もしているが【国家公認】で【問題のある人物】を『一箇所に収容して監視する』ことが目的である。
将成「【ヴァンウルフ】を………!『国際問題』じゃないか!」
将成は、頭を抱えた。
【ヴァンウルフ】は、【ヴァンパイア】と【人狼】の【混血種】だが、【真祖ヴァンパイア】と【神獣フェンリル】なので【上位貴族】になる。
【欧州】には今でも【貴族】が存在するが、【英国】で【貴族】を名乗っているのは【ヴァンパイアの一族】である。故に、【英国】の【上位貴族】へ危害を加えたとして『国際問題』になる案件だ。
遙「落ち着け【ヘッド】、これに関しては【
【肉食女獣】たちは【吉原】行きで『一件落着』と、遙は『大岡裁き』の如くドヤった。
朔「【美知能宇斯】だったな………【まほろば鳥】の
満「何やて!」
満は、クワッと目を見開いた。
洸と遙がクワッてやった、マンガみたい
と言っている。
朔「【
【御景見戸売】は【日子坐】の【暴力行為】のせいで【恍惚の人】になってしまったらしい。
満「【死刑】や!【日子坐】は【死刑
】でエエやろ!」
【日子坐】は【天孫族】なのでそれは無理である。
朔「この時点では、まだ【日子坐】の『佐保侵略』は無い。まあ………下見に来ていた可能性はあるが………」
下見に来ていたと仮定して、そこで絶世の美人姉妹の片割れ【御景見戸売】を見初めたと予測できる。【御景見戸売】は【
朔「
【比類神子】を【
洸「これ………アレだ。【まほろば鳥の一族】、『神の怒りに触れた』ヤツだ」
【僧侶】の洸は『神罰』だなと、【まほろば鳥の一族】に問題があったと論じた。
朔「挙げ句の果てには【比類神子】が災いの主を呼び寄せたと言う始末だ」
助け合うどころか、弱い者に責任をなすりつけて情けない、と朔はため息をついた。
癸「朔の話を聞く限りだと、真王のほうは生まれつきのようだけど………【御景見戸売】は『外道行為の果ての懐妊出産』の後で症状が出ているね」
【御景見戸売】は【双子】だから【忌み子】と無理矢理こじつけた感じは否めない、というのが癸の考えだ。
朔「生まれた【真王】が『【盲い】の【ろう唖】』というのが、こじつけの決定打だな」
【忌み子】を生んだからやはり【景比売】は【忌み子】だと、よくわからない着地の仕方をしたと朔は言った。
朔「【
そして約10年の歳月を経て【日子坐】は【佐保】へ進軍して来た。
朔「【日子坐】は、【まほろば鳥の一族】に【景比売】と真王を殺せと命じた」
だが、それは阻止された。【まほろば鳥の一族】が【御景見戸売】と真王を幽閉していた【洞穴】へ向かった時、そこはもぬけの殻だったと朔は続ける。
朔「真王の声………喋れないから【思念】と言うべきか。とにかく声が【先代】に届いた」
【
朔「【
この頃は、【闇嶽之王】は若かったんだと朔は言うが、【イザナギ】【イザナミ】の【国生み】より前から存在し【ニニギノミコト】の【天孫降臨】、【初代・神武天皇】から【10代・崇神天皇】の
満「これがホンマの『神の怒り』やな」
癸「一体、誰が【御景見戸売】と真王を連れ出したのだね?」
真王は足が不自由だっただろう、と癸は逃げるにしても誰かが抱えることになると言った。癸の妹の
朔「【蛇神体】で大暴れする俺に果敢にも挑んで来た『
それが後の世に【四道将軍・
朔「最初は、そいつが【
親子だから似ていても不思議じゃないよね、と言って朔は続きを話す。
朔「俺は果敢に挑んできた【人間】………【美知能宇斯】に敬意を表して、【景比売】とその息子・真王を『殺人鬼と化した鳥頭どもから守れ』と任務を与えた」
一同は、はて何故任務を与えたのかと疑問を持つ。
洸「敬意を表したんだろ。与えるのは、普通【加護】とか、ちょこっとだけ【通力】が使えるようにするとかじゃないのか?」
しかも『殺人鬼の鳥頭』って【まほろば鳥】のこと思いっきりディスってるじゃないか、と洸はツッコむ。
燎「今の発言は、実際に見ていた俺でもお前が【まほろば鳥の一族】を屠った張本人みたいに聞こえたぞ」
【日子坐】が【
朔「仲間を迫害するような子は【
朔は【闇嶽之王】も【大闇主之王】も直に手を下していないが、【まほろば鳥の一族】は放置することに決めたと言った。
朔「とりあえず、【先代】の子の【大比売】と【景比売】とその血族だけ生き残れば良しみたいな感じだな」
燎「お前らも滅亡に絡んでるじゃないか」
手を下していないが、見捨てている。
朔「『見ること』、『聞くこと』、『口を出すこと』をやめただけだ。『【
【羽衣】の能力を十全に引き出せず【まほろば鳥の一族】は『無駄死に』させられたな、と見捨てておいてすべて【日子坐】のせいにする朔に、癸は【海の民の王】と【山の民の王】とでは自分たちの【
癸「【海の民の王】は武器を没収したけれど、『お引越し』させて【外界の民】に反省と更生の機会を与えたね」
結局、あまり更生したとは言い難いことになったけれど、それは燎のせいではないので癸は愚痴っただけに留めた。
癸「【山の民の王】は、問答無用だね。もしかしたら迫害されたのが【大闇主之王】の娘さんだったからかもしれないけれど………【種族】が絶えるほど追い詰めるのは相当恨んでいるんだね」
執念深すぎやしないかい、と癸は言った。
朔「癸祖父様、【地這いの者(大ムカデ)】は【蛇】以上に『執念深く偏執的』だ」
【
朔「【まほろば鳥の一族】が【
子どもを人質にするとは下劣な、と桂は眉を顰める。
遙「【日子坐】は【まほろば鳥】へ【御景見戸売】の母子暗殺を命じたが、その結果はどうでもよかったようだな………【
ガキまで巻き込んでマジでクソだな、と遙は歯に衣着せぬ言い方をするが、一部オブラートに包んでほしい部分があった。
朔「言ってることは間違ってないが………そんな言い方されたら、【景比売】が
朔の言葉に洸が、真秀は【狭穂姫】と同じ年齢だったなと言った。
洸「父子でやること同じかよ………【美知能宇斯】が真秀の父親ってことは、やったんだろ『子作り』」
洸は一応、言葉を選んだようだが彼は【僧侶】なので、ものすごく下世話な感じになった。
満「洸は『生臭坊主』やな」
【僧侶】っちゅうんはもっとストイックな感じやろ、と満が思い込みの【僧侶像】を口にする。
癸「とりあえず、朔の話を聞いてみないかい?」
癸は、朔と燎が話す【
朔は、【狭穂姫】と真秀は年齢は同じだが【狭穂姫】のほうが半年以上先に生まれている、と言った。
この半年以上の時間差が、【美知能宇斯】と【御景見戸売】の間に【情愛】が育まれた時間だ。
朔「【日子坐】の侵略戦争に長子の【美知能宇斯】は大いに貢献している。それは同時に戦争ばっかりやってたってことだ」
そんな戦三昧で、【美知能宇斯】の荒んだ心は【白痴】の【
洸「なるほど………【日子坐】のように『出会って即合体』ではなく、【美知能宇斯】は『時間をかけて【心】を掴んだ』ということだな」
癸「洸、【僧侶】が『出会って即合体』なんて言うの………私は初めて聞いたよ」
癸は【転生戦士】だから『耳年増』なのかな、と困った表情をする。
洸は、『いたした』のほうが良かったのか、と言って癸が困っている理由をわかっていない。
満「お前は『下世話』な言葉、知りすぎとちゃうんか?」
ホンマどこで聞いて来るねん、と満は呆れた。
朔は、某国発祥の恋愛マンガの正道を突っ走った結果、【景比売】は真秀を出産したと言い、【
https://kakuyomu.jp/users/mashiro-shizuki/news/16818622171844812753
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