2023年12月

もしも今イチョウに空の青色を注げば夏に戻るだろうか


寒風に吹き付けられて「冬かよ」と言って気がつくああもう冬か


肩の荷を下ろし天使は雑踏の中で一人の人間になる


冬になり『常温水』と『冷水』の区別が消えたウォーターサーバー


使い捨てカイロがくれた温もりがまだ指先でほのかに灯る


道端で小春日和の大きさに気づいて少し呼吸が止まる


街中を歩くサンタの半分は残念ながら偽物らしい


サンタさんからのてがみのじがなぜかれんらくちょうでみたじとにてる


年の瀬の川面に映る繁華街濁った時が遅く流れる


一枚のハガキ書き終え大晦日縁の代わりに切れた黒ペン

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