第12話

連続投稿2本目です。

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3年生になってからも、神宮寺たちに変化は無かった。


連中は理想的な陽キャグループらしく、青春の日々を謳歌しており、 対して俺たちはクラス替えでしっかり纏めて隔離され、目立たずひっそりの毎日を送っている。


「しかし、全く動きが無いのは不気味だな」

「諦めてくれたのでござろうか?」

「だといいんだけど……悪く考えると、ターゲットは最初から平蔵君じゃなくて、宝城さんを不登校か転校に追い込むことが目的だったとか?」


確かにあれ以来、俺へのアプローチが全く無いことを考えると一理あるが、そこまで宝城さんを目の敵にするようなことがあったのだろうか?


証拠もないまま問い詰めたところでシラを切られればそれまでだし、本人がいない以上、確認のしようもない。


「まあ今年のバレンタインでケリつけたらいいだろ」

「仕掛けてくるのかな?」

「今度はちゃんと受け取ってもらう、って言ってたからな」

「前回はいきなりでござったが、今回は心積もりしておける分、対応はできるでござろう」

「ああ、また二人に頼ることになるが、よろしくな」


俺たちは来たるべき日に備え、入念に打ち合わせを行うのだった。

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