第4話 震える通知音

電車を待つホームで、冷たい朝の空気を吸いながらスマホを握りしめていた。


「俺も。」


そう送ってから、数分が経つ。


華乃、まだ起きてないかな……なんて思いながら、ポケットにスマホをしまおうとしたその瞬間——


ピロンッ📲


通知音が鳴った。


慌てて画面を開くと、華乃からのメッセージだった。


「えっ……!?///」


たったそれだけ。でも、文字からでも彼女が驚いているのが伝わる。


続いて、またすぐにメッセージが送られてくる。


「ちょ、ちょっと待って……今心臓バクバクしてる……」


想像してみる。布団の中でスマホを握りしめながら、顔を赤くしてる華乃の姿を。


なんか、すごく可愛い。


俺は思わず微笑んでしまった。


すると、さらにもう一通。


「もう、こんなの朝から見たら、1日ずっと輝人のこと考えちゃう……///」


朝のホームで、俺はスマホの画面を見つめながら、ゆっくりと息を吐いた。


——それなら、俺も同じだよ。


そう思いながら、少しだけ迷って、短く返信を打った。


「俺もずっと考えてるけど?」 と送信。


……華乃、またびっくりするかな。


次の返信を待つ間、電車がホームに滑り込んできた。

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