変顔ループの呪い、ピエロ顔の顔面革命!

紫峰奏

第1話 変顔ループの呪い、ピエロ顔の顔面革命!

俺の名前は大輝(だいき)、高校1年生。ある日、変顔をしながら寝ないと顔が変わるっていう謎のルールが発動したんだ。最初は信じられなかったけど、マジでやらないとヤバかったって気づいたんだ。


そのことを最初に知ったのは、テレビを見ながら、なんとなく眠気に襲われてたときだった。急に頭の中に声が響いてきたんだ。


「変顔しながら寝ないと、次の日顔が変わるぞ」


「えっ!? なんだこれ、霊感ゼロの俺に突然心霊現象か!?」


その声はさらに続けて言った。


「変顔しないと、お前の顔がヤバくなるからな」


「顔がヤバくなるって……え、どういうことだよ!?」


俺は鏡を見ながら焦ったけど、何も変わってない。やっぱり寝不足で頭おかしくなったんだと思ったんだけど、次の日、顔がほんとに変わってた。目がものすごくズレて、鼻がまるでウサギみたいに反ってる。口も「はい、どうも!」てな感じで開いている。


「これ、もうピエロじゃん!」


心の中で叫んだ。って、そんなこと言ってる場合かよ!? 慌てて鏡の前で顔を触ってみたけど、当然元に戻るわけもなく。


「これじゃ、学校行けねぇよ! 行ったら絶対バレる! 死ぬほど恥ずかしいって!」


冷静に考えてみたけど、どうしようもない。


「いや、これもうマスクじゃ誤魔化せないって! 目がズレてんだぞ!」


そのとき、ふと思いついた。マスクにサングラスとフードをフル装備すれば、なんとかなるんじゃないかって。これなら誰にもバレないと思って、俺はガチガチに身を包んで学校へ向かうことにした。


でも、学校についた瞬間、やっぱりバレた。光一(こういち)が俺を見て言った。


「おい、大輝、お前何か変じゃないか?」


サングラス越しに必死に笑顔を作ろうとしたけど、残念なことに笑うたびに顔はさらに歪んでいた。


「いや、あのさ、風邪ひいてさ……顔がちょっとむくんじゃって……」


「風邪でそんな顔面なるかよ!」


光一がツッコんでくるけど、もう無理。絶対にバレたくない。めちゃくちゃ焦る。


「マジか、どうする? この顔、どうする? 笑おうにも笑えねぇよ、顔がヤバい! サングラス、フード、完全装備! けど隠しきれない、顔の革命! これじゃまるでギャグの王者、キングオブ顔面!!」


俺は内心で現実逃避してラッパーみたいになりながらも、クールにしようとしてフードを深くかぶる。サングラスをしっかり押さえて、目立たないようにしようとする。でも、完全に不審者な格好に周りからの視線が集まっている。


「大輝、マジで調子悪そうだな……」


「調子悪いって、顔が変わってるんだよ!!!」


心の中で叫んだけど、口に出さない。絶対にバレたくないから。


その後、トイレに駆け込んで鏡を見たら、とんでもない化け物がこっちを見ていた。


「これヤバいな……どうすんだよ」


とりあえず、目立たないようにトイレで時間を潰すしかない。でも、いつまでも居られないから、またクラスに戻らなきゃならない。


「どうしよう、なんでこんなことになってるんだよ!!」


この顔がばれたら絶対新種の生物として指定されるぞ!?

変顔で有名になったって、それどころじゃねぇ! 奇跡の生物だろ! 次の日もこの顔なら、俺、絶対に博物館に展示されるレベルだって!


「やっぱ、戻らなきゃな……」と、トイレを出ることにしたものの、顔が完全にバレる前にどうしても帰りたくなった。学校なんて行ってられるか!


教室に戻るのは、もう無理だと確信した俺は、家に帰る決意を固めた。


放課後、家に帰ったら、母さんにもバレないように部屋にこもった。


その日の夜、家族に顔を見られるわけにはいかない! 俺はもう、必死に何とかしようと考えていた。


「よし、こうなったら、俺の全力隠し技を使うしかない!」


突然、ひらめいた。ゴーグルだ! そうだ、サングラスでダメならゴーグルならどうだ? だって、水中でも顔を守るために使うんだから、目のズレも隠せるはずだ!


俺は急いで部屋の隅に置いてあったゴーグルを取り出す。かなり無理があるけど、もうこれしかない。


※ここから先、主人公の思考はやや混乱しています。もし彼の言動が意味不明に感じられても、気にしないでください。きっと彼は頭が少しおかしくなっているだけでしょう。


「よし、これで完璧だ!」


その時、ふと思いついた。


「待てよ……水着も着れば完璧じゃね?」


俺は急いで部屋の隅から水着を引っ張り出し、あっという間に着用。なぜか真剣な顔で、ゴーグルを押さえたまま、今度は水着も着こなして、完全に「お風呂準備万端」の姿に。


「よし、これで完璧だ! 完璧な風呂準備!」


そのまま食卓に歩いていき、まるで何事もなかったかのように椅子に座る。


「大輝、ちょっと待て! 水着とゴーグルって……なんでそれで食卓に座ってんの!?」と、弟の真一が目を丸くして叫ぶ。


「お風呂の準備だよ。何か問題でも?」と、俺は冷静を装いながら、ゴーグルと水着の完璧なスタイルを維持しつつ、まるで食事をするかのように座って、テーブルの前で手を組む。


母さんがリビングから出てきて、俺をじっと見つめた。


「大輝、どうしたの? ゴーグルと水着……?」


「え、だから、風呂準備だよ、風呂準備!」と、真剣に言いながら、あまりにもおかしな姿に少し笑ってしまいそうになる自分を必死に抑え込む。


「風呂……水着? それってちょっと変じゃない?」と、母さんが困惑した表情で言った。


「変じゃないよ! 目を守るためなんだよ!」と、俺は言い張りながら、食事をするかのようにテーブルに座る。


真一はもう、爆笑している。「いや、絶対おかしいから! 何で食卓に水着とゴーグルで座ってんだよ!?」


「だから、風呂準備だって! この後入るから!」と、俺は真顔で答え、心の中で「これが俺のスタイルだ!」と叫びながら、無理やり冷静を保とうとする。


母さんも真一も、もう完全に理解できない様子でただ呆然としている。


その瞬間、シュールさがピークに達した。水着とゴーグル、完全におかしい状態で、何食わぬ顔で食卓に座る俺。目の前で繰り広げられる自分のギャグに、笑うしかなかった。でも、もう戻れない……。


その時、ふと思ったんだ。


「いや、もう隠す必要なくね?」

 

隠すどころか、むしろこれ、新しい顔のスタイルとして突き進むべきじゃないか?

 

「いっそのこと、この顔でYouTubeデビューしてやろうかな。変顔専門チャンネルとかどうだ?」

 

いや、待て、誰も見ねぇだろ。でも、もう冷静に考えられない。俺、完全に頭がバグってる。

 

「でも、ゴーグルで隠せないってわかって、逆に顔出しの方が清々しい気がしてきた! 顔がズレてる自分を愛せる気がする! これが俺の個性だ!」


その瞬間、心の中で何かがプツンと切れた。笑いが止まらない。いや、笑うんじゃない……笑わないと、もはや耐えられない。

 

「あははは……は、は、は……! これだ、これが俺の新しい顔だ!!」

 

まるでどこか遠くから自分を見ているような感覚になり、ただただ笑い続けていた。

 

「次はどうしよう……なんか他に方法があるはずだ!」

 

気づけばスカートをかぶり、サングラスを何重にも重ね、完全にギャグキャラ化していた。

 

家の中で、目が完全に泳いでいる自分にすら気づけないほど、俺はもう迷子だった。


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