降格圏を脱せるか、マリノス

①危機感を感じているのか、マリノス

横浜F・マリノスは15試合を終えた現在1勝5分9敗の勝点8で20位に位置している。ちなみに15試合終了時点で勝点8以下のチームが残留できたチームはJリーグの歴史上存在しない。試合数が他チームに対して1試合または2試合少ないものの、19位とは勝点が5異なるので消化試合をならしても20位よりも高い順位に上がることは難しい状況である。マリノスはリーグ最少得点タイでかつてのアタッキングフットボールの見る影もない。

4月12日のアビスパ福岡戦からACLEアルナスル戦を含んで公式戦7連敗でリーグ戦に限っても6連敗となった。リーグ戦6連敗はマリノスの歴史上ワーストタイとなった。監督解任後の浦和レッズ戦からの試合はすべて負けていることを考えると果たして監督を交代してキスノーボ監督にしたことは正解だったのか疑問に思えてくる。

選手やスタッフ、フロントを含めてチームとして今の状況の危機感を感じているのか、それを共有できているのか。降格したらチームから出るからいいやとか契約があと1年だからいいやとか、そう思う選手が居たら残留なんて夢のまた夢だろう。


②今季の不調の要因

今季の不調の要因として考えられることはいくつかある。

もちろん過密日程による疲労があることは確実である。特に今季はターンオーバーや選手交代が少なかったことにより例年よりも疲労が溜まっている選手が居ることは確かだ。加えて限られた選手の酷使によって長期の怪我をしてしまった選手も居て選手交代の選択肢がなくなり、悪循環に陥ってしまう。

もうひとつの要因としては選手の大量放出である。昨季所属していた4人のCBのうち3人を放出するなどチームの再構築を図る上では難しいものがあったと思う。新チームの目指すサッカーが大幅に変わったのにも関わらず、所属する選手も大幅に変わってしまえば連携面においても難しいことは容易に想像が付く。

そして大きいのは攻守のどちらにも舵を切れていない点である。そもそも1年前まで攻撃的だったチームが急に守備的にすることは簡単ではない。攻撃的な選手たちのプレーを制限するものの、守備的になったのかと聞かれれば首は横に振ることになる。ここが今季のマリノスを語る上では難しいところだ。いわゆるアタッキングフットボールを捨てたが、堅守速攻でもないというどのようにして勝つというビジョンが一向に見えてこない。


③残留のためにすべてをやれ

今季の目標はただ一つ“残留”である。一応、天皇杯とルヴァン杯が残ってはいるもののリーグ戦に集中して欲しいというのが全マリサポの思いだと思う。残留のためにやれるべきことは全部やる、社長とSDの語った言葉を信じたい。

まずはコーチ陣の拡充から取り組んで欲しい。監督1人、ヘッドコーチ1人、アシスタントコーチ1人、GKコーチ1人、GKアシスタントコーチ1人のコーチの体制で今は取り組んでいるわけだが、さすがにコーチが少ないと思う。アシスタントコーチが1人というのはなんだか危機的な気がする。マリノスOBであり残留をかけたチームでの監督経験のある井原さんや現代サッカーを熟知したマリノスOBの水沼さんらを入閣させることを考えて欲しいと思う。それ以外には昨日、Instagramのストーリーでマリノスの話題を出してくれたハリーキューウェル元監督の入閣も可能性として挙げても良いと思う。彼のマリノスへの愛は多分思っているよりも大きい。ここには監督交代というのも選択肢として入りうる。キスノーボ監督で状況が好転しなければ2度目の監督交代は考える必要がある。

選手側の拡充、補強も考える必要がある。今季はCWCの影響により6月にも移籍市場が開くのでここから順位を上げるための選手の補強が行われなくてはならない。マリノスに加入してから調整、ではあまり意味はない。即戦力となる選手の補強が必須だ。そういう点では日本でのプレー経験のある選手を加入させることが大事だろう。補強する選手が外国籍の選手かどうかは現在マリノスに所属する外国籍選手が夏に移籍するかどうかに依存するはずだ。今マリノスが補強するべきなのはWGだと個人的には感じている。特に左WGの1stチョイスが遠野というのは補強の必要性を感じる。そもそも昨季の9番と入れ替わりの選手として獲得した選手のはずなので開幕前はトップ下としての想定だったはずが、WGとしてプレーしていることを考えると人数が足りないのは確実だろう。本来のトップ下としてプレーさせるためにも即戦力のWGを獲得するべきだ。ベンチに甘んじている主力級の選手をJ1からでも獲得するべきだ。正直、親会社の経営不振もあり補強費の確保が難しいのかもしれないが、この補強費が確保できるかどうかが今季のマリノスを占うわけなのだから何としてでも確保しなくてはならない。そのためにスポンサー各社を走り回るなどを社長が責任持って行うべきだ。ACLEで獲得した賞金も少なくない金額あるのでこれを全額使うくらいの勢いでお金を今季注ぎ込むメリットは十分にあるはずだ。今年J1で踏ん張れるか、J2に落ちてしまうのかは大きく変わる。横浜マリノスの経営が悪くなるくらいまで補強費のお金を費やすくらいの大きな舵取りを社長が責任もって先導するべきだ。


④サポーターにはマリノスしかない

サポーターにとっては応援する横浜F・マリノスというチームはただ一つで代替となるチームなどない。Jリーグの開幕から1度もJ2に降格したことがない2チームうちの1チームとしての誇り高き歴史を失わないためにも今一度チーム全体として気持ちから見直して欲しい。J2に落ちてから危機感を感じてもどうしようもない。マリノスはこのマリノスしかないのだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る