プロローグ

むかしむかし、あるところに敗軍の侍がいました。

主を失い、少しでも多くの敵をと駆けるもその忠義むなしく、十数人を切り伏せたところでひとつ角の兜に鉄砲があたり、気を失っている間に戦は終わってしまいました。

残党狩りどもの言うところによれば、主とともに馳せ参じた西軍は敗北したとのこと。

死ぬ機会を失ってなお、何のために生きるのか?

下卑た笑いで迫る残党狩りどもを見もせず、ただ目を閉じて考えた結果、彼は生きる価値を、呪い復讐することに見出だしました。

そして、カッと目を見開くと、刀を抜いて駆け出し、槍を持つ残党狩りたちを斬り伏せました。

それが、ひとりの鬼が生まれた瞬間です。


そして、少しばかり時が流れました。

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