第10話

あなたは死なないし、歳を取らないの?


「残念ながらね」


どうして?


「イギリスの電車って複雑で、

その老人に問うてみたんだ、

ここに行きたいって」


そうしたら


「それがeliṣi̱rだったみたい。

勝手に不老不死になってたんだあはは、」


歳を取らないのはいいけど、災難ね。


「本当だよ、災難さ。

50にして諦めがついたよ」


諦め?


「うん、諦め。このまま神様として

イタリアに住もうと思うんだ」


それはいいわね、


「でも君のような近しい人を想うと

胸が苦しい。あ、僕が注ぐよ」


ありがとう


「手塚治虫の火の鳥ってあるだろ?

それでみたような話だよ」


そうなのね


「君は今も美しい」

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