第2話

人生も大凡のところまできた。

折り返し地点ってことね、

こんなにゆっくりとヴェネツィアの風景を

眺めるなんて思ってもいなかったわ。

観光のボートが眼下を通り、

私は手を振りかえした。

若い頃は思ったわ、

だいたい私はモテるんだもの。

私はグラスを傾けて赤ワインを飲み干した。

何故私が今この場所にいるのか、

それはそう、

私の初恋の人と待ち合わせをしているの。

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