『たもとをわかつ』

「先生〜!先生〜!」

この声は助手のジョシュ。いつものように慌てておる。声の調子から察するに…良い知らせのようじゃが、はて?何を頼んでおったか…。


「!」

「まさか?!本当に完成したのか?!」

ジョシュは息を切らしながら、不敵な笑みを浮かべると親指を突き上げた。直ぐに研究室に向かう。廊下は走らない。


「こちらです!」

そこにあったのは、電子レンジのような形状・大きさの箱のような機械。各所に配置されたランプがチカチカと赤く点滅している。


「これが…まだ信じられんな…」

「よし、早速見せておくれ!」


「はいっ!」


機械を操作してしばらく待つ。期待に胸を膨らませながら、マグカップに牛乳を注ぐ。


二人で談笑しつつ3分ほど経過した時"チーン!"と小気味良い音が鳴った。


「素晴らしい…」

「本当にオ◯オの黒い部分と白い部分がキレイに分かれておる!」


「先生!"オレ◯"では有りません!現在は名前が変わって"ノ◯ール"です!」


「そうじゃった、"ノワ◯ル"じゃったの、まだ慣れないで元の名前を呼んでしまう…」


「その気持ち分かります」

うなずくジョシュ。


「それはそうと大発明じゃ…時代が動くぞ!」

「早速牛乳に浸して食べよう!」


「はいっ!」

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