『アナタ・イン・どの物語?』

アリスは興奮していた。


ある日。森を歩いていると、焦った様子で前方を横切るウサギを目撃。好奇心の塊である彼女が放っておける訳も無く。走り出す。


ウサギのスタミナが切れ、肩で息をしている所に追い付く。

「ちょっとウサギさん」

「何をそんなに急いでいるの?」


聞くと、カメとのマラソン勝負中に昼寝して、寝坊したらしい。


完全にウサギに非があるが…同じ昼寝好きとして放っておけない!楽しそうだし!よし!この勝負勝つぞ!


「ほら見えたよ川!」

遠くの方に橋が見えるが、そこまで移動していては大幅なタイムロスだ。幸い川の流れは穏やかで、泳げない事も無さそう。


濡れるのは嫌だが、背に腹はなんとやら。意を決し川に近づく。そこに人影…失礼、獣影が1つ。


「お?どしたオメェら?」

タヌキさんだ!事情を説明。話を聞き終えた後、タヌキは自身のお腹を"ポンッ"と叩く。


「よーし、話は分かった!そう言う事ならオイラにも協力させてくれい!」

「この船に乗りな!」


「…あれ?」

「待ってタヌキさん、この船何で出来てるの?」


「まぁまぁ」

何かとてもマズい気が。そんなタヌキとの押し問答中に目が覚めた。


「夢か…ん?」

ぼーっとするアリスの前に一羽のウサギが…。

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