第26話 多対単
エイダ「それでは彼らを殺傷して参りますね」
そう言うとポケットから何やら錠剤のようなものを取り出し5錠ほど飲み込んだ。たちまち錠剤の効果が現れたようで雷人の体は黄金に発光し、炎人の体からは炎人より一回り大きい人型の炎が現れ、森人の体からところどころ根っこのようなものが生え始めた
エイダ「この薬はね、私が作ったの。能力を飛躍させる秘薬よ。今までは能力者の意思なしでは能力の開示はできなかったけどこれを飲んだおかげで無条件に人の能力を覗けるようなったどころか全員が見えるレベルまでね。しかも制御もできるのよ」
確かに謎の男からは何も発生していない。おそらくエイダが能力を制御したからなのだろう。能力なしでは勝てない相手だと言うのに能力がバレているというのではどうも足掻くことはできない
炎人(能力がバレているのなら策を練るしかない、、、あ?そういえばなんで俺らは能力を奪われていたんだ?)
炎人「そこに突っ立ってる師匠とやらに聞こう。なぜ俺らは能力がつかえなかったんだ?」
男はゆっくりとこっちへ向かって歩いてきた。そして声を張らなくても聞こえるレベルの近さまで近づきこう囁いた
師匠?「君たちは生物を何種類まで知っている?実は君たちが知っている以上に生物の種類というのは多いのだよ。”悪魔”という生物がいる。あまり有名ではないのだがね、悪魔という生物は基本的になんでもできる。しかし自分から動こうとはしない。他の誰かを利用して自分がしたいことをするのだ。私は悪魔と契約をした。無論無償ということはなく、左手を壊死する代わりにこの星に来た全生物から一時的に能力を奪うという契約内容だ。そしてもしも私が自分の力や薬で左手を治したらどうなると思う?その時点で契約違反で私は死ぬ。まぁ利害一致しただけであって力ずくで従わせることもできた。まぁ私は戦いは嫌いだからね。体を動かしたい時にしかやらんよ。話が長くなってしまったが1週間で能力は返ってくるし能力も悪用などしないから安心しなさい」
男性は言い終わる前に後ろを振り向き歩きながら捨て台詞のようにして建物内に戻っていった
エイダ「それじゃあ今から殺害いたしますね?」
力を入れているのだろうか。腕にはバスキュラリティがプツンと張っておりこちらを睨んでいる。しかも話を聞いているうちに移動しており3人を視界から離さぬ位置へと動いていた
最初に動いたのは炎人だった。炎人が拳を構えようとしたときだった。背後にいる人型の炎の右腕が太く、濃い色に変化した。約0.2秒後に炎人の右拳には炎がまとわりついた。そして炎人は大きく腕を振り上げた。それと同時に炎人の背後の炎の右腕は落下していった。またその0.2秒後ほどに炎人がエイダの足元めがけて殴ったのだ。エイダは軽く跳び上がり地面の破片をいくつか蹴り炎人の顔に当てたのだ
雷人「炎人!直前まで能力操作をするな!動きが全てバレるぞ!」
雷人のへそらへんの位置から一本の輝く線が出てきた。その線は折れ線グラフのように斜めにかくばった形状になっていた。そして直線はエイダの背後で途絶えた次の瞬間にエイダの背後に刀を振ろうと右腕が左肩の背後にくるような姿勢で膝を抱え込んで跳び上がっている雷人が現れたがエイダに顎を殴られてしまう。それも直線が現れてから0.6秒ほどの出来事だ。顎を殴られ後ろに吹き飛んだ雷人はバク宙をし体勢を整えて着地をした。顔を上げると走っていたエイダが既に目の前まできており膝打ちで下から上へ顎を蹴られた。そして顔が空を向いた状態で下関や天容といった急所へ攻撃をされた。それを阻止しようと動き出す森人の足元の根っこが太く青く変化した。そして森人の足元からエイダの足元まで一直線に地面がボコボコになりエイダの足元から木の根っこが生えてきた。そしてエイダの足を絡めとるが手刀で簡単に切られてしまい細かく切られた木は四角くサイコロ状になっておりエイダは勢いよくその木を投げつけてきた。スライダー203km/h、カーブ197km/h、ストレート235km/h、左手でチェンジアップ196km/h
どれも的確に急所を狙ってきている。それも正確に避けづらく致命傷になりかねない部位を狙って。全弾当たった森人は目から出血し嘔吐し咳き込んでしまった
しかし地球と比べても非常にスピードの出にくい重力で筋力もあまりないのにも関わらず地球上の誰よりも速い速度を出していた。技術が磨かれているなんてものじゃない。いったいあの師匠はどんな実力者なのだ
炎人「これ以上はまずい、早く倒さなければ全滅する!」
動こうとした次の瞬間であった。3本の光線が炎人の胴体を貫通した。カハッ!!!と口から軽く吐血をした。そして地にひれ伏してしまった
エイダ「よくやったわDCCCLXV。さて、この子たちの死体をどうするべきかしら」
3人は足をひきづられゆっくりと建物内へと連れて行かれた
建物内は広い駐車場のようになっていた。三方に扉が三つあり入って正面の扉へと連れて行かれた。中には研究室のようなものがあり緑色の水が入っている大きな管や薄暗い蛍光灯に棚には大量の小さな瓶のようなものなど明らかに怪しい部屋となっていた。一つ、照明が付いている机があった。その上には非常に分厚い本のようなものが乗っていた。どうやら日記のようだ。内容はこうだった
神代へなってから305光年 氷河神代
舷の五日
今日も退屈な日々が続いていたがモルモットが星に侵入してきた。強さは底辺。磨けば光る。しばらく研究をする
昨日の日記のようだ。今日の日記はまだ書かれていない。氷河神代(ヒョウガジンダイ)というのはおそらく日記を書いている人物の名前だろう。この樹星での一年はこうだ。榮42日、唐45日、京41日、舷45日、丹42日、毘42日、聘43日、菴49日の1日32時間(地球時間)だ。今は18時の昼
ゆっくりとさらに奥の部屋へと連れていかれる。。。部屋の中は真っ暗で光ひとつすらなかった。
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