第10話 不思議な本

次の日。

僕は普通に目覚め、普通に朝ごはんを食べ、いつも通り部屋にこもっていた。

本のことはなるべく気にしないようしていた。


12時を過ぎた頃、家のチャイムが鳴ったのが聞こえた。

親は仕事でいないので、僕は仕方ないと思いつつ玄関に行く。


「はーい。」と言いながら鍵を回し、ドアを開ける。


、、、


あれ、、、?



ドアの外には誰もいなかった。


でも確かに鳴ったよね。チャイム。

まあいっか、と思ったのも束の間、

ドアを閉めようとしたら何かが挟まった。


ん?


そこにはボロボロの革靴が挟まっていた。


誰かが捨てた?

いやでもそんな治安悪くないし、そもそもなんでチャイム鳴らす必要があるんだ?ピンポンダッシュか悪戯か?


色々考えたが、人がいないので捕まえようもない。


とりあえず靴をどかしてドアを閉めようとした。


うわ!なにこの靴!

おっも!!


その靴はとても、汚い雑巾を持つような指の形では持ち上がらなかった。

多分臭いし、思いっきり掴みたくないなー。


ふんっ!


ダメだ。蹴飛ばしても足の指が折れちゃうほど重い。

なんなんだよこれ、、、。



どけよー

ドア閉めたいんだけど。


そう思わず口に出したら、なんとその靴はビクッと動いて、跳ねるように花壇の奥へと入っていった。





今動いた?


靴が


えーなにそれ。


そんなのアリなのか?!?




それを見た僕は、気にならない訳もなくそのボロ靴を追いかけに花壇へ走った。


靴は花壇で止まっていて、その横には、昨日部屋に置いたはずの遮断書がまた落ちている。

ありえない。

自分で持ち出した覚えはない。


どうやら僕は魔法の本を拾ってしまったみたいだ。



なにを考えたのか、僕はその本へ近づいた。

すると、本がぶわああーって開いてページが一枚破け、その紙にみるみると文字が浮かび上がっていった。


破けた紙には靴の絵と「Follower of the Shield」って文字、さらに、本のページが光り出して、そこに血まみれの記憶、、、のようなものが浮かび上がった。

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