掌編・『バレンタインの思い出』

夢美瑠瑠

第1話

  



 St・Valentine ’S day は、バレンタインという聖人の日、という意味で、いろいろな説あるらしいが、「愛の告白をする日」になっていて、日本では「女性がチョコレートを贈る」風習になる。


 「アルジャーノンに花束を」という小説には、少年時代のチャーリーが、同級生に「バレンタインをあげる」といって、まとわりついていた挙句に、その娘の兄さんに「お前なんかこの学校にいられたシロモノじゃないんだ」と、ボコボコにされる、というエピソードの回想シーンがある。


 つまり、女→男、それもチョコというのは日本仕様のルール?。


 その経緯は知らんが、その流行?は、50年くらい前からあって、人気のある男子の下駄箱がチョコであふれかえる、というようなマンガがよくあった。

  

 で、ボクもこういうロマンチックな?特別の日の、チョコのように<bitter・sweet>な青春の記憶も少しあります。


 就職していた時に、毎年に事務所の同僚の女性一同が、共同で義理チョコを買い、男性職員に配ってくれていた。

 福祉事務所で、福祉精神が濃厚というか、それもある?

 (そういえば、生活保護の係りの、ロッカーの上には、古い段ボールの箱が置いてあって、もともと何の箱か知らんが?、印刷したイラストと「今月のサンタクロースただいま到着!」という広告コピーが書いてあり、ナマホと関係はない何かの箱なんやが、誰かが自嘲交じりの諧謔の発露で?ずっと置いてあるらしかった。)


 そのころに、「Tさん(手話通訳の女性)たちが街に蜂蜜を買いに行く」という夢を見たことがあった。なんだかいいムードの夢でした。

 で、すぐわからなかったんですが、なんとなく、英語を挟んで解釈すると、「蜂蜜→Honey→愛しい人の砕けた言い方→同じく愛しい人の意味の俗語→Sweet heart→優しい心」 という風に連想できることに気が付いた。 フロイト的といえばそうですが、前の日?に、Tさんたちが、「チョコを買いに行ってくるわね」とか言っていた情景がなんとなくそういう夢になったんだと思う。


 殺風景な職場にいて、しかも幻聴に攻撃され続けて burnout syndrome みたくなっていたころで、女性とほとんど話したこともない人やったが、やっぱりバレンタインとかそういうものには夢を持っていたい…そういう願望の充足という意味もあるかも? 


「夢の作業」というのはそういう風にポエティックな、あるいは多面構造な深さがある感じもあります。

 

 今のキラキラネームは単なる偶然の符合ですが?「夢」という言葉が好きなのは、まあそのころからです?😊

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る