第9話 オリーブ領へ、ンゴ
ミィア「【影魔法】で移動にゃ!」
「「はぇ~」」
七大災厄ネクロパンサー・ミィアたんのマスターことどみんンゴ。
ミィアたんは【陰操作Lv10】というコマンドで影を
するとその上にいるンゴ達はスイーっと移動し、時速50kmほどで爆走している。
次から次へと前方に影の絨毯が発生するのでエスカレーター末端のように巻き込まれる心配はない。
チャンコさんは熟睡、リーンさんとミレディさんははしゃいで、ローザスさんは丸まって震えている。
ローザスさんが怯えるのも無理はないらしい。
この世界でが一般的に馬車が最速で、ざっくり時速30Kmほど。
それ程のスピードで移動していると、元の予定では3日かけてこの『猫影山』を越えるつもりだったのだが後半日程度で済むとの事。
ンゴもこの移動時間を利用してある料理の仕込みをしていると、
ミィア「にゃ?右の方から人の気配がしないかにゃ?」
ミレディ「そういうことならおねぇさんにおまかせ!【危険感知Lv7】―――!!大変!山賊に貴族の馬車が襲われてるわ!?」
リーン「なんだと!よっしゃっ!いっちょアーシ等でぶちのめしてやろうぜ!オイどみん!ミィアちゃんに指示頼むぜ!」
どみん「ンゴ!ミィアたん!」
ミィア「にゃいにゃいサー!」
ローザス「ひゃいんっ!?急に曲がらないで〜」
チャンコ「ZZZ…ZZZ」
―――謎の貴族馬車周辺―――
ポリエステル「ヴォアアハッハッハ!!このポリエステル山賊団から逃げられるわきゃねーだろ!俺様はレアスキル【バーサーカー】なんだぜ。いい加減てめぇの頭かち割ってやるぜぇダナン坊っちゃんよぉ?」
ダナン「フン、僕もレアスキル【聖騎士】だ!オリーブ公爵家次期当主を下郎風情がどうにかできるとおもうな!」
ガキン!キン!ドガァーン!!
モブ騎士「ダナン様の剣を片手で!?ポリエステル山賊団侮りがたし」
モブ下っ端「くっそあのガキ…ボスの攻撃をことこどく避けやがって、くそっあの貴族!簡単な仕事じゃねぇのかよ!」
何やら殺りあってるンゴ。
ちょっと様子を見たほうが―――あれーーーんーーーこれはーーー?
どみん「ミィアたん?止めてくれンゴ?」
ミィア「ん…止める方法は無いにゃ!」
「「え゛え゛え゛え゛!!」」
ドッシャーーン!!
モブ騎士「な!なんだ?」
チャンコ「ちゃす?(目が覚めたの意)」
ローザス「痛たた…」
ダナン「あねに上!兄上ではありませんか!?なぜ!?」
ローザス「ダナン!?」
ポリエステル「隙ありぃ!―――げへらっ!?」
あっ、やっぱり悪いやつだったんだ、良かったあの顔の悪い人が見た目通りの悪いやつで…
ポリエステル「あ、足に力が入らねぇ…どうなってやがる!?―――血!?」
どみん「無駄ンゴ、この石手斧で足の健を切ったンゴよ(でも間違えて味方を切ったとかなったら目も当てられなかったンゴ)」
ポリエステル「なんだこのヒョロ、オイテメェ等!ぼさっとしてんじゃねぇ!!」
モブ下っ端「ヘイ!ボス!」
モブ下②「くけけけぶっ殺すぞ!【鎌術Lv3】」
モブ下③「このガキ死に晒せ!【棍術Lv4】」
モブ下④「へへへ!血を見せやがれ!【ナイフLv3】」
わっと押し寄せる野郎ども。
清潔さが欠けて、臭いンゴ。
どいつもこいつも振りは鋭いのに、返しと位置取りが圧倒的に下手くそ。
まるで誰かに操られてるかの様な歪さ?
容易に懐に入れてしまったのでとりあえずゴブリンから奪ってそのままの石手斧を一番近くの野郎の脇の下に斬り抜ける。
モブ下④「ゲブァ!!」
ちょうどナイフを手放したのでそのまま奪い、逆手持ちで襲い来る野郎の首、腹、手首をそれぞれ切りつけた。
「「げりゃぁ!?」」
血しぶきで卒倒しそうになるンゴ。
ンゴは現代人なので人相手に斬りつけるのは抵抗があるけど、山で野生動物と対峙した時、容赦をすれば自分が死ぬという事を身を持って知っている。
ここは〈
ダナン「誰だあいつ!(強い!味方みたいだからいいけど、一体何のスキルだ?)」
リーン「アーシ等も居るぜ!スキル【バトルジャンキー】コマンド【斧術Lv8】、オラオラオラオラァ!!アーシの銀斧ことミスリルアクスのサビになりやがれーー!!」
「「ぎゃあああああ!!」」
うぁあ…あの小さい身体で大男をバッタバッタと敵を倒す小さな女の子はプリ◯ュアみたいで最高ンゴ!
チャンコ「【火魔法Lv7 ファイアブラスター】」
おおおお!魔法!本格的火炎魔法!巨大な火柱が手下野郎どもに直撃した!
ドゴォオオオオン
「「おぎゃばぁああ!!」」
ミレディ「私は攻撃コマンド皆無だから…がんばえ〜♡」
どみん「……」
ポリエステル「くそっ!どいつもこいつもぉ〜〜!!(足の傷のせいでコマンドがだせねぇ〜)」
ダナン「貴様の負けだ!【聖騎士】コマンド【聖剣技Lv7 セイントクロスラッシュ】」
ポリエステル「のぎゃぼねぇッッ!!」
あのダナンって人美少年ンゴね〜、爆発しろ(豹変)!爆発した!?背後が謎爆発したンゴ!!?
ど派手ですっごくキラキラして戦隊ものを連想させる。
無事全滅した山賊団をオリーブ領の騎士の人達と一緒に縛り上げ、馬車にくくりつけてそのままオリーブ領の憲兵に渡す流れになった。
ダナン「ご助力感謝致します。僕はローザスの弟のダナン・オリーブと申します」
どみん「ど、冠水どみん…(くっそ、顔が良すぎると直視できないンゴ)」
ミレディ「あーんイケメン!お姉さんは〜ミレディ・レモンサワーですぅ(上目)。よろしくね♡」
チャンコ「ちゃす(チャンコ・ゴッチャンコの意)」
リーン「お〜ダナン!デカくなったなぁ」
ダナン「リーン義姉さんは…いつも通りですねw」
リーン「あ゛!?」
ミィア「にゃーん、ミィアだにゃ!」
ダナン「なっ!?デカい猫様が喋ったぞ?かわいい!いや、カワイイ!!」
モブ騎士①「きゅーと!」
モブ騎士②「にゃんだふる!」
モブ騎士③「モフつや…ねこ吸いしたい!」
ミィア「猫吸いは嫌にゃ、でも触るぐらいならいいにゃ」
「「きゃっほー!!」」
ダナン「こらお前達先にズルいぞ!!…やれやれ、それで?兄上は何故ここに?王都に招集されたはずでは?たしかあのバカ王が緊急事態だとか?」
ローザス「うーん…順番に話すね」
―――ローザ、弟に経緯説明中―――
ダナン「あんのクソ
ミィア「本当迷惑みゃ話にゃ!」
ダナン「そもそも!…ん?ん!?姉上?このお猫様って?」
ローザス「こらッ!今は兄上だ!…私の【鑑定】によれば『ネクロパンサー』だ」
ダナン「ちょ…本当なのですか?…そこのどみん殿はまさか!?ちょっとこっち来て!」
ダナンくんとローザスさんが木陰でヒソヒソしてるンゴねぇ〜
ローザス「【勇者召喚】に巻き込まれたらしい…」
ダナン「は…ハハッ!!素晴らしい!!姉上!これはとてつもないチャンスですよ!きっとどみん殿は王国に恨みがある、そして世界の最高位戦力とされる『七大災厄』と【契約】している。これはあの王都の豚どもをクーデターで駆逐する絶好の機会だ!」
ローザス「しかし、どみんとは…なんというか成り行きで…」
ダナン「姉上!女に戻りましょう!『ダーディラード』の戦力を上回る力が手に入るのなら
ローザス「ふわわ、ど、ど、どみんを…か?で、でもどみんはリーン姉さんみたいな小さい女が好きみたいだし…あ、でもでもどみんにその気があるなら―――」
ダナン「はぁ(クソデカため息)。生娘の姉上に言うことではありませんでした。まぁリーン様にお願いすれば良さそうですね」
ローザス「だっ!駄目!お互いの気持ち、お互いの気持ちが大事なのよ!」
ダナン「姉上、向こうから愛を築いてくれる…は童貞と処女の妄想です。向こうから好きって言う、向こうから愛してるって言う、そんなままなら独身で人生終わりますね!」
ローザス「な、なな!?姉に対してその言い草、流石に無礼では!?」
ダナン「姉上、私は既に妻に子がお腹にいます、「ファッ!?」姉上はまぁ王から逃れる為貴族の務めを知らぬと思いますが15〜19で子が居るのは当然なのですよ?」
ローザス「ぐぬぬ…」
ダナン「私が内政、姉上が外政。とても感謝しております。しかしそろそろ姉上も自分の幸せの為に落ち着いてもいいのでは?どみん殿の事、惚れているのでしょう?」
ローザス「べ、別に、どみんの事なんて何とも思ってないんだからね!まだ会って3日ぐらいだし…向こうは女の子として見てくれないし…」
ダナン「その気になれば公爵家の力を使って既成事実でもなんでも作ってしまえばいいでしょう?お互いの気持ちだの想い合うだのと恋愛などとうつつを抜かす立場ではないのです!どみん殿に早く情を分けて貰ってください!」
ローザス「…ダナン、貴方がそこまで姉に言うのはオリーブ家のため?来たるべきクーデターのため!それともデカニャンコネコ吸いモフモフのため!?」
ダナン「デカニャンコネコ吸いモフモフのために決まっている!ハッキリ言って公爵家よりお猫様の方が大事だ!!姉上見ましたか?あんなお利口さんで綺麗でモフみが高いキャワ尊いご神体を!?それが人間と同等の大きさで意思疎通ができるという奇跡!もうたまらないのですよ!クーデターとか二の次にして、どみん殿と仲良くなっていただいた暁には、僕はミィア様とニャンゴロモフ天国を味わいたいんです!いけませんか(逆ギレ)」
ローザス「はぁ…(多分父上も同じ事言うだろうな〜)」
何やら話は終わったらしく、若干やつれた顔をしたローザスさんとキラキラ顔のダナンくんと合流し、ンゴ達はこの先の峠を越えた先にあるオリーブ領へと向かっていく。
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