第3話 ツンデレ(推測)エルフきちゃ!
「———色々と本当にありがとうございます。将来ビックになった暁には、世界を半分お渡ししようと思います」
「ふふっ、フレデリカは面白い子を見つけてきたのねぇ」
「そうなのよ。ちっこいのに頭も回るんだよ〜。ね〜?」
無事大長老様に滞在のお許しを貰った———残念ながら大長老様の御姿を見ることは叶わなかったが———俺は、フレデリカさんに連れられて彼女の実家に居候させてもらえることとなった。
フレデリカさんのお母さんであるエレーナさんは、涙袋が少し大きいとか目元にホクロがあることを除けば、フレデリカさんソックリだった。溢れる妖艶さが大変素晴らしい。
「良く来たな、ノージス少年。歓迎するよ」
「よろしくお願いいたします、イアンさん。エレーナさんのようなお美しい方とご結婚なされている人生の師として尊敬してます」
「はははは、フレデリカの言う通り面白い子だ」
そう言って笑うイアンさんは、青年と言われても全然信じるレベルの超絶イケメンだった。
何方かと言うとイアンさんは例のツンデレちゃんに似ている。つまりは家族みんな超絶美形ってことだ。
さて、ここまで来たということは、当然。
「…………姉さん、どうして当たり前のように人間がいるの?」
「大長老様にお許しを貰ったからですよ」
「アンタに聞いてないわよっ!」
フレデリカさんに代わって答えた俺を、キッと睨むツンデレエルフことソフィリアちゃん。
因みに初対面だけど全然ちゃん呼びで行くよ、俺は。偉大なる陽キャヤ◯チン共を参考にさせていただきます。
「ソフィリアちゃん」
「ソフィリアちゃん!? あ、アンタ私を何歳だと思ってるの……!?」
何歳か、ね……。
これは大事な質問だ。ここでミスれば一気に好感度ガタ落ち案件である。現時点で結構低いからあんまり変わんないかもしれないけど。
なんて思いながらも、気を取り直して俺はジッとソフィリアちゃんを観察する。
可愛さと綺麗さをいいとこ取りしたような端整な顔は、ツンとした口にキリッと上がる眉、僅かなつり目に新緑の瞳などなど……とにかくツンデレ要素満載だ。だがそこが可愛い。現実でツンデレっ子を見れるだけで気分は有頂天だ。
そして極めつけに淡い緑の髪はハーフツインで整えられ、エルフに多い慎ましやかな体型も合わさり……。
「ごめんなさい、ソフィリアちゃんが可愛いことしか分かんないです。俺の願望で答えるとしたら20歳から30歳前半がベストです」
「か、かわっ……って願望!? しかもちゃんと当ててる!?」
「え、マジっすか!? ソフィリアちゃんってほんとに20歳から30歳前半なんですか!? 何歳? 何歳なんですか!?」
驚きに目を見開くソフィリアちゃんの告白に俺も驚愕に目を剥く。
もう完璧じゃん。転生して1番テンション上がってるかもしれない。
なんてウッキウキの俺が、鼻息荒くソフィリアちゃんに迫ると。
「……に、23よ……」
俺の勢いに押されたのか。俺から顔を離すように仰け反りつつ、ボソッと答えてくれる。ちょっと引いている気がするが、俺のメンタル的な意味で違うと思っておく。
「ソフィリアちゃん……俺と結婚を前提に付き合いませんか?」
「なっ!? な、何を言ってるのアンタ……? 死んでも嫌よ」
驚きに満ちた表情を浮かべたものの、ゴミのような目で見られた。
でもちゃんと返事してくれる辺り優しい。前世では告白してもなんか告白が聞こえてない体で進められたもんだ。……いや酷くね?
しかし、やっぱり初対面では駄目だったみたいだ。俺って大分顔良いし、今が1番ショタ感あって可愛いからワンチャンあるかと思ったんだが……流石エルフ、整った顔への耐性は素晴らしかった。
「あ、因みに好きな人とかっていますか?」
「え、別にいないけど……それが何?」
俺が先程の渾身の上目遣いを継続させたまま尋ねれば、色恋沙汰への免疫はないのか、恥ずかしそうにボソボソと呟く。
しかし直ぐにキッと俺を睨み付けながら、逆に聞き返してきた。まぁでも特に隠す気もないし全部ゲロっちゃうか。
「いえ、好きな人がいないなら全力で押して押して押しまくろうと思いまして。取り敢えず『どうも、偉大なるツンデレ美少女ソフィリアちゃん公認のおバカ、ノージスです』っていう自己紹介は一生名乗っていこうと思います」
「絶対にヤメて!? あ、アンタ本当にどうかしてるわよ……!! 1回人間達の病院に行ってきたら!?」
寧ろご褒美です———おっと、つい俺の中のM気質が『やぁ』って顔を出してしまった。でもドン引きした表情でそんなご褒美みたいな罵倒を吐くソフィリアちゃんが悪いと思います。
「あははははっ! 本当にノージス君は面白いね〜! これからどれくらいいるのか知らないけど、楽しみになってきたな〜」
なんて言って俺を抱き締めながら頭をワシャワシャしてくるフレデリカさん。ソフィリアちゃんと違って大きな双丘が俺の後頭部を天国へと導いていた。最高です。
ただ、それは是非ともガードにやったげてください。じゃないと気付かないよ、アイツ。
「……うわぁ……これだから人間は……」
鼻の下を伸ばす俺にソフィリアちゃんがドン引きした様子で呟いてくるが、それが俺にとってご褒美だということに気付いて欲しい。
…………俺、このお家の子供になりたい。
姉妹にワチャワチャされながら、俺はしみじみと噛み締めた。
同時にエレーナさんやイアンさんが俺達のやり取りを微笑ましげに見ている姿を見て、この親達にしてこの子達ありだなぁ……と思いました。
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