第7話. 現状把握

食事を早々に切り上げて部屋に戻るとそこにはリナが仁王立ち待っていた。


遅い!


うん?リナは少しお怒り気味?


いやいや、遅くないよ。だってあの後5分で食べて、まだリナが席を立ってから10分も経ってないよ。


いや、遅いものは遅い。


リナがそう言う。


うん。

これは話が通じない。

だから、次に進むために謝るしかない。

うん。いつもの事だけど。


人を勝手に呼んでおいて、色々と連れ回して、最後はご飯が遅い。


お父さん、お母さんすみません。私はブラック企業に来てしまったみたいです。


そんなことを考えてるとリナが更にプンプンした感じで言ってくる。


幸太郎、いい?

あなたは選ばれてきたの。

しかも役目があってね。

そんなところでハンバーグを食べるために来た訳でないの。

わかった?


正直、わからない。というかまだわかりたくないのが本音だ。


そりゃわかってるけど、初日だよ。

少しぐらいいいじゃん。


と心で呟くとそれを見透かしようにリナがいう。


別に誰でも良かった訳ではないのね。

そのうちわかると思うけど。

ごめんなさい。私も少し焦り過ぎたのかも。


リナはそう言って頭を下げた。


でも、時間がないのも確かかも。


続けてリナがまた話だす。


さっき、ローウルフとかの話をしたと思うけど、そのお肉が出てこないということは、結構ことを急がないといけないかもしれないの。


俺にはその話がまだリンクしていない。


どういうことかいうと、つまりはそこに狩りに行けない問題が起きてるか、それか他の種族によって狩り尽くされた。または占領されたか。のどっちかになるの。

前者の場合だったら一時的なものなどが考えられるし、もう少し情報を得るという考えになるんだけど、後者の場合はそうは行かないの。


リナと俺には一瞬だがピリッとした空気が張り詰めた。その中でリナはまた続ける。


その中で、もし狩り尽くした後に、餌をも求めて移動を始めたら、どうなると思う。


俺は息を呑んだ。


多分、次はこの街まで来るでしょうね。

普通の街なら別に問題はないと思う。それだけの兵力があると思うから。でもここは違う。

アルガラ国の中でも発展していな地方都市。

恐らく、ここを収めているクルタ伯爵では対応できない。さらに、ローウルフが仮尽くされてる状況だと、そこにはゴブリンの上位種族のキングゴブリンがいる可能性が高いわ。

そうなると尚のこと太刀打ちが出来ない。


全てを話し終わるとリナは少し強張った表情をした。


そっか。

だから、ゴブリンで100メロンなんて報酬だったのか。

ゴブリンを倒せば必然的にキングゴブリンも倒さないと行けないと。

なるほどね。

簡単なチャートリアルだと思ったらとんだ貧乏くじだったって訳か。


俺は少し笑ないなが話す。


とまぁ、でもやらないと仕方ないんだよな。

俺はまだ何も知らないから色々と教えてくれると助かる。


俺がリナに伝えると、リナは一言


ありがとう


と言った。


でもさ、ひとつ聞いていいか。


俺は一つだけ疑問に思ってることがあったので、リナに直接ぶつけてみた。


いいわよ。何?


リナもあったり許可を出してくれた。


いやさ、キングゴブリンなんたらはわかるんだけど、リナが何故そこまで動揺するんだ。

創造神側なら別にこの世界がどうなろうが自然の摂理として受け止める訳ではないのか。


俺は素直に疑問の種をぶつけてみる。


普通わね。


そういうとリナはまた話し出した。


普通はそうなのかも。でも、私も元は違う世界からきたの。幸太郎とはまた違う別の世界から。

そして私が選んだのは、幸太郎みたいなプレイヤーではなくてサポート役。

だからね。色々と自由が効くの。

でもね。それが仇となったの。

ここに来た時は、昔の記憶なんて無かった。

元々、サポートとして生まれた。そう思ってた。でもね、この世界を巡り、日常や非日常を見ていくたびに少しずつ思い出しちゃったんだ。ここに来る前の私のことを。

私はね。前の世界で殺されて死んだんだよ。

しかも、こんな感じの田舎町。幸せだった。だけど、とある時にモンスターの侵攻にあって、その地を収める貴族は一目散に逃げて。

そして、、、


それ以上は聞いていていい気持ちになれなかった。


俺は涙を浮かべながら話してくれたリナの頭をくしゃっと撫ぜる。


ありがとよ。辛いことまで話してくれて。

じゃあ、尚のこと頑張らないとな。


俺は、ニカっと笑ってそう言った。


そうよ。

だなら、幸太郎にはやってもらわないと困るの。

だから、お願いね。


そういうとリナも涙を拭いた。


そしてこれからの話を始めた。

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