第17話 結婚パーティーも大騒ぎ

「おめでとう、ソラ、ナタリア」

「ありがとう、ウラーじゃなかったオークラ」


苦笑するウラー。公爵の跡取りとなった今、ウラーの呼び方も変えないといけなくなった。かれこれ5年の付き合いなのでなれない。


「まさか高校入学前に結婚するとは思っても見なかったがな。」

「確かに、それ分かる」


本当にそうだ。結婚式すら約1年前まで考えてなかったのにもう結婚式だ。それに今回の結婚式は特例中の特例である。公爵でもカーリオ大聖堂でやる事は絶対にない。


「あのキスシーンとっても良かったよ!」

「あのな〜、こちとらガチで緊張してたしそうやって恥ずかしい話するなよ。お前の時もそうするぞ」

「う〜ん、うちはもう婚約パーティーでやっちゃってるからなんか恥ずかしくなくなったのよね〜」

「恋愛上級者だな」

「まぁ、そうかも」


女子で仲良くなったのはウラーだけだ。だが、最近恋愛事で揶揄われているのでツッコミ合いが始まっている。その時だった。窓が割れたのだ。割れた瞬間魔力探知を発動する。


「チッ、隠蔽魔法か!どんだけレベル高いんだ!」


俺は近くにいたラターシャ達を守りつつ、窓が割れた方向を見る。


「隣国の奴らか!」


魔力探知で隣国の奴らだと言う事は分かったけど全く容赦ないな。カーリオ王国が怒るだけじゃ済まないの分かってやってんのか?多分陛下には内緒で王太子しか動いてないだろうけど。


「ラターシャ、オークラとカリーさんと3人で魔力融合して強力な結界を張って守りに専念して」

「ソラは?」

「俺はちょっと苛ついたからナタリアと捕縛してくる」

「あはは…分かりました、気をつけてください。」

「うん、ありがとう。」


そして俺はラターシャ達が結界を張ったあとナタリアのところへ向かう。


「ナタリア、彼奴等に俺たちが言いたいのはただ1つだ」

「あぁ」


そして息を吸い、ナタリアもできるようになった無詠唱で魔法を用意する。


「ラターシャに手を出すやつは許さない!」「カリーに手を出すやつは許さない!」


全く大声ではなかったけど、それでも広場に緊張感がはしった。そして俺とナタリアは全力で魔法を放った。『ロープ』という魔法だ。捕縛の際に使われる。


「か、確保!」


あ、やべ。あまりに感情的になって魔法師団が来る前に縛っちゃったわ。主役が2回も捕縛してるって大丈夫なのかな?父さんと母さんの子供っていうことは上層部に知られてるから見逃してくれるとは思うけど…


「ウラー!大丈夫だったか?」

「シャル!えぇ、ラターシャ様とカリー様がいたから。それに…主役2人が十数人の族を捕縛したし」

「「あ、あはは…」」

「もうお二人ったら」

「兄弟みたいですわね」


シャルとはウラーの婚約者だ。もちろん公爵で俺とナタリアとの繋がりももちろんあるので出席している。ラターシャとカリーさんが俺達の元へ苦笑しながら来た。


「じゃあ、パーティーの再会といこうか」

「お義父様」

「父上もか」


ラターシャの父、お義父さんとナタリアの父がこちらへやってきた。


「まぁ、隣国の奴らにはそろそろと思っていたしちょうどいいな。」

「あぁ、さて大事な義息子とラターシャを狙った奴らどうしようかね」


あ、これはいかんやつや…2人から負のオーラが…そりゃあ息子娘が狙われたしな、起こるのは当然か。


「そうだな。娘達を傷つけたのだ。この騒動隣国にすぐ報告しなければ。陛下も知らんだろうしな」


いやいや待て待て、そろりと一国の王が来るんじゃないよ!まぁ、別にいいんだけど!登場お義父さん達と一緒にしてよ!緊張するじゃないか。まぁ、陛下達が話し始めたから離れたほうがいいな。というかこれ、結婚パーティーだよな?なんか仕事してるぞこの3人。職業病か?


「我々は失礼します」


ナタリアがちょうど言ってくれたので俺達は礼をしその場を離れた。そして、また色々あった結婚パーティーも無事?終わり、俺達は結婚したのだった。

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