結婚してますがなにか?
Mio
第1話 日常
「はぁ…」
溜息をつく一人の少年。そこへ少年が近づく。
「どうしたんだよ?」
心配そうな顔をしながら隣に座る。
「いや、さ、俺らもう15でさ。俺両親いないし、叔母さんの家に居候して2年だし。そろそろ将来考えないとなーって」
「そっかなるほどなー、でもお前高校行くんだろ?魔法師団に入るのが夢とか言ってたじゃんか」
確かに俺は魔法師団に入るのが夢だからその夢は諦めたくないんだよな〜
「まぁ高校にも魔法師団にも入りたいけどほとんどこの国では高校で婚約して卒業とともに結婚式を挙げるからさ」
そう。俺がいる国『カーリオ王国』ではほとんどの人間が高校時代、つまり15〜18の時に婚約しており貴族の場合高校に通いながら結婚というケースもある。そして20歳を過ぎればもう結婚できない可能性が高い。なので中学生である俺は婚約者を探さないといけないのだ。
「なるほど。お前も一応貴族に入ってるからな。まぁ貴族の場合叔母さんが連れてくるんじゃね?」
「まぁね」
そう。俺は、俺の両親は平民だったけど、父親の方の叔母さんが侯爵のところに嫁いだので現在俺は一応侯爵の息子になっている。ただの形だけだけど。
「お前はいいよな〜もう婚約者いて。殿下可愛いし」
「おいおい、俺の婚約者取るなよ?」
「とったら大事だわ!」
そう。大事だ。俺の友人ナタリア•シャオ•クラースは公爵クラース家の長男。そして婚約者はまさかの王女様だ。カリー•シャオ•カーリオという名前でナタリアとは7歳に出会ったらしい。そして2人とも一目惚れというすごい偶然が起こり10歳の頃に婚約したのだ。ちなみに俺がナタリアと出会ったのはちょうど5年前で婚約前に知り合いの特権ということで2ヶ月前くらいに婚約することを教えてもらったがその時衝撃が走り危なく倒れるところだった。そして俺はナタリアと仲が良く叔母さんもナタリアのお母さんと知り合いだったらしく家族ぐるみ仲良くさせてもらってる。そしてたまにカリーさん含め王族達ナタリアの家にいるので固まることもある。ナタリアに何度笑われたことか…いや緊張しない方が無理だろ!?
「ほらそろそろ予鈴鳴るぞ」
「おう。あ、ソラ明日家に邪魔するからな」
「了解」
そして俺たちは授業に集中しいつも通り帰る準備をした。
「ねぇ、ソラくん。なんか疲れてそうだけど大丈夫?」
俺に話しかけてくれた女子はウラー•シャオ•オークラだ。ウラーは侯爵家であるオークラ家の長女でナタリアと同じく家族ぐるみで仲がいい。ナタリアとも友人だ。
「いや、最近さ礼儀マナーがまたレベルアップしてさ、ちょっと帰るの憂鬱なんだよね」
そう、一応侯爵の息子なのでマナーなどの練習はもちろんある。ナタリアとウラーはまだ引き取られてすぐだったし、2人の両親も敬語ではなくていいと言ってくれたので敬語で話さない。他のクラスメイトには敬語だけどね。
「そういうことか。そういえばソラは婚約者まだだよね?」
「あ〜それも悩んでてさ。俺実質養子だし、平民の子に嫁いでもいいかなって思ったりもしてるんだけどその前に婚約できるか心配でね…」
ウラーは事情を知っているので驚かない。まぁ知っているもののほうが多いし、後取りして養子に引き取られてる人も多いから別にどうってことないんだけどね。
「そういうことか〜まぁそう思うと私は楽なのかもね〜」
そう。ウラーも婚約者がいる。公爵の家で親同士が仲が良くウラーも子供の時から仲が良かったのでほとんど決定だったらしい。幼馴染だし2人もそのつもりだったそうなのですんなり決まったそうだ。ウラーの婚約は13歳の時に決まっている。羨ましい限りだ。
「じゃ、俺は憂鬱なマナー講座のために帰るよ。ウラーも気をつけて帰れよ」
「うん、マナー頑張れー」
「棒読みすなっ!」
ウラーは笑いながら俺に手を振った。
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「ふぅー私も帰る…うわ!」
「ソラ様今日もカッコ良かったですね!」
「仲がいいなんて羨ましい限りですわ」
実はソラ、性格も容姿も結構いいのでモテているのだ。本人が気づいてないので何とも言えないが昔から知っているウラーとナタリアは呆れていた。
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