最終話:天使のルルシエル。

ルルシフルとのエッチは、いつしか俺のルーティーンにもなった。

それが普通って言うか、朝起きて、飯食って、仕事して、帰ってきてエッチ

して・・・そんな毎日の繰り返し・・・飽きることのない性生活。


そうして一ヶ月経った頃だった。

ルルシフルの頭からツノが消えたんだ。

お〜エッチ効果が出てきてるじゃんって俺は嬉しく思った。


さらにエッチは1日も欠かさず、少しづつエスカレートしながらSMプレイに

まで発展しながら営まれた。


そしてまた一ヶ月経った頃だった。

ルルシフルの髪の毛が紫から金髪に変わっていた。

このまま頑張ってセックス日和を続けていたら、ルルシフルは天使に戻れるかも

しれない。


だけど、ある日のこと、ルルシフルは俺の前から忽然と姿を消した。

ありがとうも言わず、さよならさえ言わないで・・・。


なんだよ・・・それはないだろ?・・・ここまで来て。

心と体の中にある大切なものを失うのかよ・・・俺は意気消沈した。

ルルシフルとのめくるめく愛の日々・・・求めあって愛し合った日々

思い出すほどに切なくなる・・・もうルルシフルは帰って来ないのか・・・。


だから俺は占いの婆さんからもらったメモに書かれてあった文字をまた声を出して

読んでみた。

だけど何分待っても何時間待ってもルルシフルは現れなかった。

呪文の効果は切れたのか?


そしてルルシフルがいなくなって数日。

俺はいなくなったルルシフルのことをいつまでも引きずったままだと精神的に

よくないと思ったから彼女のことを忘れようとした。


そうした日の朝、俺は誰かに起こされた。

顔じゅうキスだらけにされて・・・。

この間まで、そんなことする女はひとりしかいなかったはず・・・。

俺ははっきり目を覚まして自分の前にいる人物を見た。


「ルルシフル?・・・」


「おはようコウキチ・・・ただいま」


ルルシフルは真っ白なドレスを着て俺の前に立っていた。

そしてそのドレス越し、そう背中に白い羽が見えたんだ。


「ルルシフル・・・おまえ・・・天使に?」


「そう、私、コウキチのおかげで悪魔にならずに済んだから神様に頼んで

堕天使から天使の戻してもらったの」

「だまって出てってごめんね・・・寂しい思いさせちゃったけど、だけどこれって

サプライズだから」


「よかった・・・ルルシフル・・・よかった〜」


「そう言うことだから私、またコウキチのお家でお世話になるね」

「私たち、契約で結ばれてるんだから、それにエッチしてるし、だから何が

あっても私、コウキチから離れない」


「それから、私の名前だけど、もうルルシフルじゃないから、今はルルシヱル

って名前・・・それが本当の私の名前だよ」


占いのばあちゃんが言ってた。


「あんた・・・近ぢか彼女できるから・・・もしその彼女とうまく行ったら

あんたの運気上がるって出てるよ」って・・・。


きっと当たってる。

彼女はアゲマン・・・俺はこれから天使のルルシヱルと、俺がこの世から去る

まで幸せな日々を送るだろう、そして出世する。


ルルシヱルは俺の目を見つめ目線をクチビルに移すと躊躇わずクチビルにキス

をした。


「大好き、コウキチ・・・もう毎日エッチしてって言わないから」


「なに言ってんの、ラブラブなカップルも新婚夫婦もみんな毎日やってる

だろ?・・・いち日でもドタキャンしたら契約破棄だからな」


「破棄なんてそんな権利はコウキチにはないの、私を召喚しちゃった時から

ね・・・私たちは永遠に終わらないんだよ・・・永遠にね」


永遠に?・・・ルルシヱルが言ったその言葉の意味が俺にはいまいちよく

分からなかった・・・永遠にって言ったその意味が・・・。


おしまい。






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召喚しちゃった堕天使から、とりあえずエッチしてって言われた。 猫の尻尾 @amanotenshi

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