中国の兵法 AI開発 V.1.1

@MasatoHiraguri

第1話  中国の優位性 (足腰の強さ)

AAA. 理論と実践


「理論も学理も知らずして実地練習にのみ汲々たるものは、舵機も羅針盤もなき船に乗る船乗りの如し。その行く手定かならず。実地練習は常に正当なる理論の上にこそ立つべけれ。」レオナルド・ダ・ビンチ (オレステ・ヴァカーリ「英文法通論」丸善)

 → 英語学習に於いては、実地練習(会話)よりも、文法をしっかりと学ぶべきというヴァカーリ氏。


しかし、理論がまだ構築中である分野においては、「理論と実地練習」とは「帰納と演繹」と同じく密接な相互関係にあり、どちらも疎かにはできない。理論から生み出された技術を様々な現実の応用現場で実際に使って検証し、その結果を開発部隊にフィードバックする。そして、それを元にして更に理論・技術の精度を高めていくという「キャッチボール」が必要なのです。

それはまた、「自己学習することで自分で成長するAI」においても同じで、どれだけ多くの使用現場(応用される場所)で使われるかが、理論の精度を高める為には重要であり、むしろ実地練習の質と量が、これからのAI開発を左右する、といえるかもしれません。


ボストン・ダイナミクスという米国のロボット製造会社が、トヨタ自動車と提携して開発を進めるというのは、金や技術支援の期待もあるでしょうが、なんといっても作ったロボットを実際の(製造)現場で使うという「実地練習」を、もはやすっかり影の薄くなった米国の自動車メーカーではなく、いまだ世界ナンバーワンの製造メーカーに求めた、ということなのです。本当は、世界で一番多くの優れた製造メーカーが密集する中国に助けを求めたのかもしれませんが、断られたのでしょう。

中国には、今や先進のスマート技術を開発する優れたメーカーが数十万社もある。地球規模で見れば、世界の製造業の中心地・大都会は中国であり、50年前にコンピューター産業の中心地・大都会であった米国のボストンなど、今やすっかり寂れた「片田舎」でしかないのです。


「トヨタとボストン・ダイナミクスが提携、ヒューマノイドロボット研究開発のさらなる加速を目指す - GIGAZINE」



BBB. 個のみならずその集団としての(製造力という)足腰の強さ


製造会社が多いというだけではなく、それらが「チェーンサプライ」という神経回路によって有機的につながり、ひとつの巨大なコンピューター、もしくは包括的なシステムとして機能している。


かつて(50年前)の米国は、世界の工場といわれるくらい、全米各地に多くの工場や開発拠点がありました。ボストンはコンピューター、ニューヨークは金融(工学)、シカゴデトロイトは自動車、ピッツバーグは鉄鋼、ロスアンジェルスは航空機産業、等々。そして、ボストンにはハーバードやMIT、ニューヨークにはコロンビア、プリンストン、西海岸にはスタンフォードやUCLA。

混血雑種社会で新興国家ですから、優秀な人間を金で引き寄せ、優秀な大学・素晴らしい企業として凝縮させ、それを核にして都市や地域を作っていくというやり方です。


ところが、中国の場合、知能に優れ感情も安定した人材が全国に何千年間も前から、均質・豊富に存在している。「プロの絵描き並みの絵を学校の黒板にさりげなく描いてしまう掃除のおばさん」なんていう事例がゴロゴロあるのが中国なのです。


アメリカのような「自由・平等」を謳いながら、現実には格差や差別だらけの社会では、何をやるにもゴタゴタが発生し、やれ弁護士だ裁判だと問題ばかりで、前へ進まない。異業種の企業間でチェーンサプライなんて実現するには、法律の改正だの、企業間の契約など法的な手続きだけで専門家や金が必要となる。

米国ライクの(似ている)韓国でも、ある工業団地を作ったはいいが、電力が足りなくなった。そこで100キロ離れた発電所から、新規に送電線を敷こうというのに、その経路の各地の住民反対運動で計画が頓挫し、結局、送電線の建設は150ヶ月かかるという事態に、なんて話がゴロゴロある。ですから、外国資本が居着かない。

そんな韓国病というか韓国的分裂症が伝染している日本でも、社会がギクシャクしてきているので、たとえAI技術が発達しても肝心の実践・実用実験する場が、50年前に比べて大幅に減少しているので、とてもAIの開発は望めない。

何十万というモノ作りの会社が連携し、ひとつのシステムとして効率的に連係プレーを発揮できているのは、世界でも中国くらいなものなのです。


AIとは、それを開発した人間の能力をコピーしたもの、とでもいえるのですから、その機能はそれを作った人間の能力に比例する。また、それを実際に使用する各種(製造)現場の善し悪しによって成長の速度と品質が左右される。

その意味では、AIを開発するための優れた人間性を持つ人間が「うようよ居る」中国。また、その理論を鍛える場としての優れた各種製造現場(会社)が密接に連携しながら無数に存在する中国こそが、AIの国際標準に今、一番近いといえるでしょう。だからこそ米国は必死にこれを阻止しようと、傘下の国々を煽って「中国の足を引きずり下ろす」ことに懸命なのです。


続く



第2話 中国というテーゼに対する唯一のアンチテーゼは日本


米国による武力・脅しによるアンチテーゼではなく、純粋に技術と生産力で中国に拮抗できるのは日本だけでした。

しかし、日本の力を落とすために、長年にわたり韓国脳というウイルスを日本に蔓延させてきたため、今や日本は韓国並みの「狂気とも言えるほど腐敗堕落した政治」で動く国になってしまいました。

まあ、中国にとっては物怪の幸い(望外の幸運)か、はたまた、よき競争者・ライバルを失って残念というであろうか ?



第3話 結局は中国の一人勝ち(弁証法の不成立)


  かくして、どんなに邪魔されようが足を引っ張られようが、中国という亀は着実にゴールへ向かう。「アキレスは亀に追いつけない」。AIのみならず、あらゆる生産において。



第4話 「それでも地球は(中国のおかげで)回っている」となるか ?


  中国はモンゴル帝国でもないし、アメリカ帝国でもない。「剣か法かコーランか」スタイルでもない。「WinWin・互恵」の世とは果たしてどうなることやら。



第5話 


2025年2月14日

V.1.1

平栗雅人


2025年02月03日AIバブルで米国が経済崩壊の瀬戸際に立つ中、中国は64の重要技術のうち57で米国を圧倒

https://note.com/akaihiguma/n/n2ed969689b06


北京の「専精特新」中小企業の数が1万社を突破

人民網日本語版 2025年02月10日13:52

http://j.people.com.cn/n3/2025/0210/c95952-20274834.html


中国のスマートロボット産業企業数が45万社を突破

人民網日本語版 2025年02月10日13:54

http://j.people.com.cn/n3/2025/0210/c95952-20274836.html


中国の大規模AIモデルが続々登場、中米のテクノロジー株の価値再評価の可能性

人民網日本語版 2025年02月07日16:53

http://j.people.com.cn/n3/2025/0207/c95952-20273861.html


中国は世界一の産業用ロボット生産国に

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中国の産業用ロボット市場規模、13年連続の世界一

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