第19話 帰省②
新大阪駅に俺が来たのは、それこそ広島へ移動した日以来だ。
そこまで久しぶりというわけではないけど、やっぱり大阪は人が多いなと思った。
乗り継ぎ改札を出て、今から北陸方面に向かう特急列車が使用する在来線4番乗り場へと移動する。
乗り換える列車は8時14分発「特急サンダーバード7号」敦賀行きだ。朝早いので、ビジネス客と外国人観光客がたくさん使用するため結構混むとは思うが、まあ指定席を取ってるので問題はないだろう。
新大阪で時間があったので駅構内にある土産物屋さんで会社の人へのお土産と実家へのお土産をそれぞれ購入した。
そして4番乗り場に降りると、もうすでにそこそこ人が並んでいた。
今回取った指定席は6号車なので6号車の乗車位置に並んだところで接近放送が稼働する。
「まもなく、4番乗り場に8時14分発、特急サンダーバード7号敦賀行きが12両で参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください。4番乗り場に電車が参ります。ご注意ください。ご乗車には乗車券のほかに、特急券が必要です。」
という自動放送が流れ、接近メロディが鳴り始める。
そしてやってきたのは、流線形の顔をした特急車両だった。
そして止まった列車から、人は降りてこない。なぜならこの列車はお隣の大阪駅始発だからわざわざ降りる理由がないのだ。
指定したのは6号車の前寄りのA席だ。お隣はいなかったのでよかった。キャリーバッグを荷棚に乗せ終えたと同時にドアが閉まり、8時14分。静かに新大阪を出発した。
今まで最速300km/hで飛ばしてきた新幹線に乗ってきたので若干遅い感覚がするのだが、実際はこの特急も最速130km/hで飛ばす列車であり、最速便の表定速度では日本最速の列車なのだ。
列車が京都に着いた時、外国人観光客がたくさん降りていった。おそらく京都で観光するんだろうな。
その代わりとして、京都からまた別の外国人観光客とビジネス客がたくさん乗ってきて、乗車率は8割程度にまでなった。
列車は湖西線内に入り、堅田・近江今津と停車していき、ついに福井県内に入った。
列車は静かな32番乗り場に入線していき、9時37分。定刻通りに福井県の敦賀駅に到着した。
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