第7話

「智青ちゃんの笑顔が好きなんだ…」



目の前の心護さんの笑顔が滲む…。




「……」




「泣かないで…ね?」



心護さんの長い指があたしの涙を拭う。




「僕のことは…気にしなくていいんだよ…」


その一言で、あたしの考えは心護さんにバレてしまっていると思ってあたしは両手で顔を覆った。




「こうしているだけで…僕の側に智青ちゃんの気配があるだけで…僕は幸せなんだ…。それ以上は望まないよ」



「……」



「顔、見せて…」



「……」


あたしは顔を覆ったまま首を振る。

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