第1話・異世界転移
1-1・前日~オンラインゲーム
高校2年生の3月。
目の上のタンコブだった3年生は殆ど登校しないので、何となく気楽な時期。
大学入試か専門学校か就職、どれを選んでも、もう1年を切り、漠然とした不安があって何となく焦るんだけど、まだ先のようにも感じる時期。
あと1ヶ月で最高学年となり、漠然と将来に向けて歩み出す・・・そんな時期。
僕等が通う
僕は、まだ具体的に未来像を決めていない。起業するとか、配信で稼ぐとか、そんな度胸は無く、どの学部を目指しているってのは無いけど4年制大学には進学したいと思ってる。だからって、あてもなく進学して、4年間遊びたいわけじゃなくて、行くからにはちゃんと学びたい。「そろそろちゃんとしなきゃ」と思いつつも、何をどうしたいのかは後回しにしちゃっている。
「
「俺は関東圏の大学に行きたい。
「まだ決めてない。県外に行きたい・・・くらいは考えてるけど」
「一緒に関東圏に行って遊ぼうよ」
友達の
・・・と、まぁ、今の説明はやりこんでる
僕の操作するキャラはレベル7。町の周辺に出現する人間サイズのモンスターくらいは倒せるようになったけど、洞窟や山まで遠征して大きいモンスターと戦えるようなレベルではない。ボスモンスターと戦う以前に、目的地に辿り着く前に死んじゃうだろう。
今は、
「俺がだいぶ弱らせてやったよ。
このゲームでは、トドメを刺した人がモンスターの持っていたアイテムを優先的に貰えるルールになっている。
「ああ・・・うん、ありがと」
僕はキャラを操作して、キメラに向かって剣を振るった。
「うわっ!マジか!?そこで空振りする!?
ちゃんと間合いを詰めなきゃ!アレスの剣が泣くぞ!」
僕のキャラは、
「ああ・・・ゴメン」
もう一回空振りしたあと、どうにかキメラにトドメを刺した。
僕は“擬人化した動物と共同生活をする”的なスローライフのゲームが好き。ぶっちゃけ、アクションゲームが苦手だ。接近戦では頻繁に空振りしたり、ボタンを連打しまって無駄な乱打戦になってダメージを喰らいまくる。遠距離で弓矢や魔法を使うとまるっきり明後日の方向に攻撃をしてしまう。
そもそも論として、なんでモンスターと戦っているのか解らない。モンスターが町に攻めてきたなら戦わなきゃ成らないけど、草原に立ってる脳筋みたいな巨人に襲いかかったり、大きなライオンみたいなヤツの後ろに回って奇襲したり、洞窟に押し入ってモンスターが集めた財宝を強奪したり、山で眠っているドラゴンを袋叩きにしたり・・・やってることは犯罪じゃん。そりゃ、モンスターだってムキになって反撃してくるよ。
まぁ、弱っちい僕が言っても、ただの言い訳になっちゃうけどさ。
「もう一歩踏み込まなきゃな。
被ダメが怖いならプロテクターも貸すよ」
「あれれ?なんか、足がスゲー遅くなっちゃった」
「ありゃ?阿修羅の鎧を装備するには筋力が足りないかな?
もしかして、さっきの空振りは、剣が重すぎて踏み込みが遅くなった所為か?」
「どうなんだろ?よく解んない」
「もう少しランクの低い装備をやるよ」
「うん、ありがとう。
剣とか鎧とか、凄いのいっぱい持ってるんだね。高かったの?」
「ゲーム内通貨で買えるのは、中級レベルの冒険者向けくらいまでだ。
俺が装備してるのは課金ガチャのアイテムだよ」
「へぇ・・・課金してるんだ?沢山してるの?」
「いや、気が向いた時にチョットだけ・・・」
「へぇ・・・チョット課金すれば、こんなスゲー武器がもらえるんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
凄いとは思う・・・が、僕は課金するつもりは無い。
「あっ!レベル8になった!」
パーティーを組む場合、モンスターを倒して得られる経験値を「等分する」と「活躍度に応じて按分する」のどちらかに設定する。今のモンスター討伐では、トドメの一撃以外のダメージは
「よし!次、叩きに行くぞ!」
「うんっ!」
「世間は春休みなのに、俺達は登校かぁ・・・。めんどくさ」
「仕方ないよ。2年生のカリキュラムが終わらないまま放置じゃマズいからね」
「おっ!オーガ発見!後ろに回り込んで一発入れてみろよ。
上手くヒットすれば、1/3くらいはHP削れるぞ」
僕達は、脳筋みたいな巨人を見付けて襲いかかる。
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