キミの隣
天音 花香
キミの隣
仲がいい男子がいる。
副田映司。
なかなかのイケメン。そしてクラスのムードメーカー的存在。
私は彼とは小学生の時からの幼馴染。だけど、映司は私を女として見ていない気がする。どちらかというと、男子の友達のように見られているみたい。
私はというと微妙なところ。映司のことは気になる存在。でも、自分が映司に釣り合うとは思えない。それほど映司はかっこいいから。
休み時間は、映司の周りに数人の男子と女子が集まってくだらない話で盛り上がる。私の定位置は映司の隣だった。誰が決めたわけでもなく、気がつくとそこに座ってしまう。映司も文句を言うわけでもなかったし、いいかなと思っていた。
ある日の休み時間。私の定位置に他の女子が座ろうとしていた。私は、「そこ、私の席」と言いたかったけれど、決まってるわけじゃなかったので言えなかった。
そのとき。
「俺の隣はこいつ専用だから」
映司が言葉とともに私の手を握って引き寄せた。そして、隣に座ろうとした女子をやんわりとどける。
「ほい、相葉美帆。専用の席に座りたまえ」
私はぼんやり夢心地のまま映司の隣に座った。身体中が熱くて火が出そう。でも。嬉しい。
「ん? 顔赤いぞ?」
「え、映司のせいだよ」
「そうか」
恥ずかしい。でもやっぱり嬉しい。
私がちらりと映司の顔を見ると、映司の顔も赤かった。
キミの隣 天音 花香 @hanaka-amane
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます