乙女ゲームの悪役令嬢イリスに転生してしまった主人公。だが問題が一つ。このイリスはただの悪役令嬢ではなく、人の皮を被った邪神だったのである。
手から触手は伸びるし、カルトな思想にすっかり染まった両親は彼女を崇拝してくるし、つい気を抜けば周囲の人たちが彼女の影響で悪夢を見たり発狂してしまう始末。そんな彼女の今世での目的は、美少女な外見を活かして楽しいスクールライフを送りたい!……うーん、悪意がない分余計に性質が悪いかも……。
存在するだけで周囲のSAN値をガリガリと削っていくものの、学園に通い始めたイリスは生徒会に入ったり、友達を作ったり、生徒の耳に触手を突っ込んでトラブルを解決したりと順調な学園生活を送っていく。このちょっとズレている日常描写が楽しいのだが、その裏側では、学園には邪神を崇める怪しげな魔女や、彼女の存在を調査しようとする探偵社の影が……。果たしてイリスは正体を隠し通してハッピーエンドを迎えることはできるのか!? そしてときどき怪しい目つきでこちらを睨んでくる生徒会副会長との恋の行方は!?
ときどき触手や怪しげな手記は登場するけれど、やっていることは結構学園ものの王道を走る一作です。悪役令嬢やクトゥルフ神話好きな方はぜひどうぞ。
(「最近の悪役令嬢」4選/文=柿崎憲)