普通の遊び方ができないゲーム配信者が異世界で勇者になったらぶちギレられた

宙道123

第1話 転移



元ゲーム配信者の俺は転移した。


目が覚めると、白い空間だった。目の前には神々しさを漂わせる美女ーーおそらく「女神」とかいう存在が、優雅に微笑んでいる。


女神:「貴方は事故で命を落としました。 しかしーー」


「うるせぇ!!!!」

俺は反射的に拳を振り上げ、全力で女神の顔面に向かってブチかました。


.......が、手応えがない。


まるでコンクリートを殴ったような感覚。いや、正確には『何かとんでもないものを殴ろうとしてしまった』という、本能的な寒気。


女神:「......」


「では、あなたに与えられた指命を言います」


これやすいプログラミングだな。何の反応もしない。俺はそのあと教会の椅子を投げたり、飾ってあった鏡、女性の像を投げたが何もなかった。あまりに無視するので悪い考えを思い付いた。

エロいことしてもいいんじゃね?


喋り続ける女神の服をさわろうとした瞬間だった。


何か空気が変わった。

「なんだ、この空気めっちゃ寒いんだけど」


上から視線を感じたので見上げたら、女神が殺意丸出しで5tハンマーを構えてた。


女神:「さわってみなさい、一瞬であの世送りにしますから」


「では、遠慮なく」

俺は思いっきりズボンを脱がした。

「死刑」

「え、ちょっと待っーー」



次の瞬間、俺の視界は一気に流れ、衝撃が全身を駆け巡る。地面に叩きつけられ、俺は潰された。一瞬で俺は身体中を折られたような痛みが走った。


女神:「神よ。彼の体と魂をもとに戻した前」


俺は気づけば復活していた。


女神「......説明の途中で殴るのは、やめましょうね。ましてや、女性の服を脱がそうなど野蛮なことは考えないように」


「は、はい......」


俺は女神の言葉に従い、大人しく話を聞くことにした。


しかし、その後の長い説明に耐えられなくなった俺は、暇つぶしにまた拳を握った―― そして、また半殺しにされた。


女神:「本題に戻ります。この世界に魔王という凶悪な王が存在します。

その魔王を討伐してください。 ただし、その前にあなたのスキルを確認してください。」


突如、目の前にホログラムのような画面が浮かび上がり、以下の能力が順次表示された。


- **勇者らしい強力な攻撃力**

  ―― 重々たる一撃が敵を粉砕する、究極のパワー。


- **時を止め、状況判断ができる能力**

  ―― まるでゲームの「ストップボタン」のように、戦況を一時停止し、最適な行動を導く。


- **世界干渉で急にバグを発生させる能力**

  ―― 不明。自分で考えろ


画面上の数値とエフェクトが、まるで現代のゲーム実況を彷彿とさせる演出で表示される中、俺はその驚異的な能力を目の当たりにし、心に湧く勇気と興奮を感じた。


俺(心の声):「これなら、どんな魔王でもぶっ潰せる…はずだな!」


そして、俺は思い切って叫んだ。


俺:「ほんじゃー、魔王倒すでー!」


その瞬間、俺の中で何かが燃え上がる。半殺しにされても復活する俺は、ただの転移勇者じゃない。元配信者としてのエンターテイナー魂をぶつけ、型破りな方法でこの世界の不条理に挑む新たな決意を固めたのだ。


俺は教会を後にし、足早に学園の裏手にあるギルドビルへと向かった。ギルドは、この世界で冒険者たちが集う情報のハブ。ここで仲間を増やし、次の試練――魔王討伐への布石を練るつもりだった。


ギルドの扉を開けると、そこには様々な種族の冒険者や、奇抜な装備を身につけた者たちがざわめく中、俺の姿が一瞬にして注目を浴びた。視聴者もリアルタイムで俺の行動を見守っているような感覚に、俺は一層の覚悟を決めた。


ギルドマスターがにやりと微笑みながら近づいてきた。


ギルドマスター:「ようこそ、新たな英雄。お前のスキルは一見、ばかげているが、その突飛さが逆に新風を巻き起こすかもしれんな。」


俺は、疲労と痛みを忘れるほどの熱意で答えた。


俺:「ああ、見てろよ! 俺のこの能力で、世界の常識なんてぶっ潰してみせるから!」


こうして、元配信者は魔王討伐を目指すのであった。




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