第2話⑵
「ねぇ、聞いた?隣の国でまた悪魔の被害があったらしいわよ?」
「またなの?もう何度目なの?」
「ほんと、いい加減やめてほしいよねー。どうせ悪魔なんて噂話でしょ?」
学校帰りの女子高生たち。
ここはあのレッドヘルからかなり東の方に離れた静かな町(クレーアタウン)。
他の国に比べて悪魔の被害が全くなく穏やかな田舎町である。
この町の人々は悪魔の被害にあわないせいか悪魔なんて噂話、犯罪者が増えただけだ。っというのがこの町の人たちの本音だった。
「ねぇ?そう思うでしょ、ミーナ?」
「え?あたし?」
友達の1人がいきなりミーナと呼ばれた大人しそうな女の子に聞いてみた。
しかし、
「あたしは…いると思うかな、悪魔?」
ミーナと呼ばれた女の子だけは他の子とは違う答えが出たのでその友達は反発した。
「はあ?なんでいると思うの?」
「え、なんでって言われても…その…だってさ、よくちっちゃい頃よく絵本で読んでもらってなかった?悪いことすると悪魔になるとか、あと夜に子供だけで遊んでたら悪魔に…」
「あははははは!!」
ミーナの子供のような発言に他の友達は大声で笑った。
「全くミーナは可愛いわね!そんなの大人が考えたおとぎ話に決まってるじゃん!」
「ほんと!そのあと王子様が悪い悪魔を正しい心でやっつけましたとさっ、ってやつでしょ?ちょーウケる終わり方じゃん!」
「やっぱミーナは面白いわ」
「でも悪魔は実際に…」
「はいはい、ミーナもういいよ。あー面白かった。ミーナのおかげで気分も良くなったしこれから遊びに行かない?」
「おお、いいねぇ。行こ行こ!」
「ミーナも行こ!」
「え、あ、うん!」
(悪魔は本当にいると思うんだけどなー。)
ミーナの悪魔話によって気分が良くなりワイワイ騒ぎながらその場を去った。
「……………ふん。バカな女め。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます