第6話 看板係

――――学校 1年5組


「斎藤!渡辺!まりちゃん!」

私は看板係の3人を呼んで怒った。

「あなた達、昨日、湖桃先輩にだけ仕事押し付けて帰ったんだって!?」

「だって、3年の伊藤先輩が、帰れって言ったんだよ。」

「そうそう、先輩に逆らえないし、仕方なかたんだよ。」

そう、言い訳をしてきた。

「仕事を押し付けた湖桃先輩も、3年生の先輩だよね!」

「看板の下書きは、応援団の練習が終わってから、私と愛里と湖桃先輩と高橋先輩と梶先輩でしたんだよ。」

やよいも加勢してくれた。

「斎藤君...同じ漫研としてはずかしいわ。」

「あなただったら、あれくらい描けたでしょ!」

私たちが看板係を怒ってると梶先輩が来た。


「愛里!やよい!面会だよーーー。」


教室の入り口に梶先輩がきてた。

「梶先輩、どうしたんですか?」

「愛里ちゃんとやよいちゃんに頼みがあってきたんだ。」

「なんですか?」

梶先輩は少し困った様子で、話し始めた。

「君たちが応援団だってことは知ってるんだけど...」

「その...応援団やめて、看板係してくれないかな...」

私とやよいは目をぱちくりさせた。

そこへ高橋先輩が来た。

「梶!勝手に平松とやよいちゃんを勧誘してんじゃねえよ!」

「おまえが1年の教室のほうへ行ったって聞いたから、来てみれば、大事な応援団員を看板係にスカウトしてるし!」

私は意外だった。

高橋先輩も梶先輩と同じこと言うだろうと思ってたから。

「平松。おまえのクラスの看板係呼んでくれないか。」

高橋先輩のマジ顔...怖いよぉ。

「斎藤!渡辺!まりちゃん!ちょっと来て。」

3人はおびえながら来た。

「おまえら、看板係なんだよな!今日から、ちゃんと仕事しろよ!」

マジ顔の高橋先輩、マジ怖い。

「でも、3年の伊藤先輩が...」

渡辺が何か言おうとしたけど、高橋先輩が言葉をさえぎって

「おまえら、伊藤と俺とどっちが怖いかわかってるよな!」

「は・はい!」

「よし!じゃ、今日からちゃんとしろよ!」

私とやよいは、あっけにとられてた。

ん?やよいの目が♡マークだ^^;;;;

やよい、今の高橋先輩みたいなキャラ大好きだもんな...


「梶、2年の看板係にも話つけてきたから、安心しろよ。」

高橋先輩は、梶先輩の肩をポンと叩いて言った。

「大地、すまん...」

「じゃ、放課後な。平松、やよいちゃん。」

高橋先輩のとびっきりの笑顔。

ますます、やよいの目が♡になってるよ^^;;;」


高橋先輩たちが行った後、やよい、興奮気味に

「いいよね♡いいよね♡高橋先輩♡」

「私の事、大事な応援団員って言ってくれたし♡」

いや...私じゃなくって、私たちだし^^;;;

そんなとき、昨日の高橋先輩の言葉を思い出した。

『でも、俺、好きな奴がいてるから、やよいちゃん、無理だぜ。』

はあーーーーーーーーーーっ。

そうなんだよね。はっきり、言われちゃったんだよね。

どうしよう...

ってか、高橋先輩の好きな人って誰なんだろ????

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