叶家のお正月

大晦日の悲劇

第1話

「「「明けましておめでとうございます!」」」




--‥なんて爽やか挨拶なの。




御神酒の入った枡を持った私の右手は、感動で震えている。




初めて叶家で迎えた新年。




今頃音無家では、例の挨拶が飛び交ってるに違いない。




『明けやして、おめでとうございやす!!』



『やして』や『やす』の大安売り。




どう見ても成人していない組員までもが使う『やす』



『お嬢、お帰りなさいやし』



『お嬢、お休みなさいやし』



『お嬢、おはようございやす』



『お嬢、行ってらっしゃいやし』



帰国したばかりの時は、やし・やし・やす・やす・ノイローゼになりそうだった。




そんな音無とは全く正反対の爽やかな叶家。




祝い酒をグイッと飲み干した叶の組員は、約一名を除いてスマートなスリムスーツがよく決まって‥‥ん?




なんだか全員、グッタリしてない?




--‥もしかして、アレが原因?






そう、組員達をグッタリさせている原因のアレとは、昨日の大晦日にあった。

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