第56話 魑魅魍魎が跋扈するの?

門から中に馬車でパカパカ進み無事止まる


「さ、行きましょう」とアーノルドさんに声をかけられたので降りる

馬車から降りる時は紗友里はアルフさんが手を差し伸べてくれてエスコートされた。

かなみには聡が先に降りて手を出してくれたのでエスコートされる

かなみはルンルンである。

この先に、きっと貴族の魑魅魍魎が跋扈しているだろうに

紗友里はルンルンな母をみて不安しかないのだった。

面倒ごとが起きたら…解決が面倒になったら…全部薙ぎ払っちゃうんじゃないかと

そんなこととはつゆ知らずかなみは聡の腕に手を添えてコツコツと上品に歩く

かなみの髪の毛がミルクティーカラーに変わっている

アーノルドさんのお家で待機の時、あまりに暇すぎて

北海道に戻りブリーチ剤を買ってその後カラー無事に派手髪を手に入れていた

アーノルドさんや侍従の方々に驚かれたことは言うまでもない


そんなかなみ達を引き連れアーノルドさんがお城の中を進んでいく

途中、何人かに話しかけられてが笑顔で対応していた。

紗友里は不安気に相手を見ていたが、かなみと聡は廊下の調度品などを見て丸無視である。

紗友里だけ会釈してたっぽい

途中で「マミ!」とこそっと怒られた。

よくわからんかったけど「ごめん」と小声で誤っておいたかなみ


ちなみに、フランソワとネロはアーノルドさんの邸宅でお留守番である。

連れて行ってもいいとは言われたのだが何かあった時ネロが特に心配だったのだ

新しい場所が苦手なのでフランソワと待っててもらうことにした。

フランソワからは、帰って来たらダンジョンに行こうと約束した。


そんな感じで歩いて行くとひと際

豪華な観音開きの扉の前に両側に騎士のような人が立っているところで


「こちらです。」とアーノルドさんに声をかけられる


王様との謁見の間?とやらなんだろうか


少し待つと

「アーノルド侯爵様どうぞ」と扉が開き声をかけられた


「さ、皆さんどうぞ」とアーノルドさんに声をかけられ開かれた扉から中に入る


「おお!来たか」とたぶん王様であるおじ様が声をあげる


あれ?レッドカーペットの前まで進んでお辞儀してとかなんかあるんじゃないの?と思っていたが向こうから声をかけて来た


アーノルドさんと王様が仲良く話をしている

その間私たちは執事のような服装の方からこちらへと案内されて前の方に連れて行かれた。

アーノルドさんがこちらを向き

「あちらから、聡殿、かなみ様、紗友里嬢です。」と紹介された。


かなみが私に様がついたよ…どーするべと思っていると紗友里に肘でツンツンされたので

お辞儀をした。


王様らしき人も

「異世界の方々、今日は礼儀など罪に問う気は全くない。気にせず気楽に過ごしてくれ。」と言ったので


言質ゲットと思いつつ

「ありがとうございます。」とかなみは笑顔で返事をしておいた。


では済ませてしまおうと、王様が書類にハンコを押してくれて

そのまま1枚はすぐに処理されるらしい複写は王家で1枚アーノルドさんのとこで1枚保管だそうだ家にも1枚来るようだ。

これでアーノルドさんが後ろ盾になってくれたことになる。

食事をとる為移動となった。

が、その時アーノルドさんから謝罪された。

「王家の方々との食事会だったのだが、他の貴族への顔見せの為急遽立食パーティーとなってしまった。」と言われた。


「私たち、作法とか全くわかりませんけど。大丈夫ですか?ま、もともと王族の方との食事会の段階で場違いなのでそこまで不安は変わりませんけど。

不敬罪で問わないとだけ言っていただけると大変ありがたいです。」とかなみ


「もちろんです。こちらがお呼びしたんですから、王から一言言ってもらいますしご安心ください。」とアーノルドさんに言ってもらえた。


また、豪華な廊下を歩きつつ


「既に、脱ぎたい…」かなみがぽつりとこぼす


「苦しいね。ドレスって大変なんだね。」と紗友里も同意


シャンデリアが飾られるどこの披露宴会場ですかって広さの食事をする場所に到着。

壁際には食事が様々ならんでいる

ワインもあるようで、聡の目がキラリと光った


「飲みすぎちゃめよ。」こそっとかなみが聡に声をかけると


「努力する」とぽそりと返す


「いざとなったら解毒だよ。」と紗友里油断はしないようだ。


「頼もしい」と聡が言ったのだった。


先頭で王様が中に入ると「皆の者、こちらが異世界から来た方々だ。

本日この時を思ってアーノルド侯爵の後ろ盾を得た。

決して変な気を起こさぬよう。して、彼らはこの国に来てあまりに日が浅い。

この国の礼儀作法など知らぬのが当然であることを理解してくれ。

急遽ではあるが楽しんでくれ。」


アーノルドさんが会釈で入っていくので私たちも横1列に並び会釈して中に入る

カーテシーでも披露するのがいいのだろうが、今さっき礼儀作法は知らないって言ってもらえたし問題ないだろう

何人かの厳しい目線と扇子で口元を隠して眉を顰める淑女は見えたが気にしない。

今後関わるかわかんないし


かなみ達は早速料理へ

紗友里だけはえ?いいのみたいな顔をしていたが離れるなって目線を送りついてこさせる。


「マミ、食べれるの?」と心配げな紗友里


「こっそりアイテムボックスに保護しようかと思ってる。食べてるフリからのin」と秘密をこっそり教えるかなみ


「ワインもできるかな?」と聡が言うと


「デキャンタごと消えるけど大丈夫?」と笑顔のかなみ


「瓶ならいいんじゃないかな」と聡


「いいわけない…マミダメだからね。」と紗友里


「しこたま飲んでいいよ。解毒で酔い覚ますから」とかなみが聡に声をかけると嬉々としてワインに向かっていった


かなみは紗友里と料理を眺めあれはどう?とかこっちは?とか

会話をしていたら、誰かが寄って来た。と紗友里から報告が入る

「さゆ、適当に食べてるフリからのinだ。私が相手する。」とかなみが振り返る


「少し、お嬢さんをお借りしてもよろしいでしょうか?」と紗友里より年上に見えるが20代前半かギリギリ10代かな?っていう貴族風の男の人が3人ほど来ていた


「よろしくないです。」とさらっとかなみは答えた。


「え?あ、いや失礼。私はフルーベル子爵の」と自己紹介を勝手に始めたので


「…ちょ、自己紹介してくれてるところ申し訳ない。娘は一人でそちらに向かわせられない。こちらには不慣れなんだ。そんな中で男性に囲まれるなど無理なのよ。ごめんなさいね。」とかなみは申し訳なさそうに相手の話の腰を折ったことと一緒に話すなんて無理よとやんわり伝えた。


「くっ!こちらが話している最中にっ」とお怒りな貴族の坊ちゃん。


このくらいで怒るとか気短っと思いつつ、ま貴族様だからしゃーねーかと思いつつどーすっかなぁとかなみは考えながら相手の次の言葉を待つ。

何せ、自己紹介されてもカタカナの名前覚えられないし…

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