第53話 王様に合うの?
アルフさんに連れられ
王都に住む叔父さんのお屋敷へ門から中に入ったら馬車が用意されていたのでそれに乗せてもらい移動
貴族の屋敷は徒歩ではあまり訊ねないそうだ。
叔父さんは偉い人らしく待たされるかもしれないと言われたので
全然いいですよ~とむしろこっちが迷惑かけてるんだから王都に着いたしいくらでも待ちますと話して立派なお屋敷で待機となった
クローさん達に聞くとクローさん達も入ったことはないそうだ。
以前聞いたときにアルフさんとは冒険者になったアルフさんをパーティに加えてからは依頼関係以外で王都に来ることはなく
アルフさんもご実家とは没交渉
叔父さんは良い人なんだと話を聞いた程度だそうだ
そして、客室を用意してくれていたようでこちらに荷物を置いて
疾風の蒼炎の人たちと応接室で待ってくださいと案内される
荷物はほぼ手ぶらなので
客室に置くものはないですと断り応接室へ
お茶などを出されそのまま話をしながら叔父さんを待つ。
3時間ほどだろうか結構な時間話をしてまっていると廊下の方から物音がする
「帰って来たみたいだぞ」と聡がかなみにこそっと教えてくれた。
扉がノックされて執事っぽい人と白髪交じりの外人さんという感じのイケオジが入って来た。
入って来た瞬間に疾風の蒼炎が立ち上がったのでかなみ達も立ち上がる
「皆さんお待たせいたしました。」執事さんが言いながらイケオジを応接室の上座に座ってもらう
「皆さん、そんなに畏まらずどうぞお座り下さい。」執事さんから言われ皆座る。
「はじめまして、侯爵をしているアーノルド・マキシマスと申します。
此度はわざわざ王都まで来ていただき誠にご足労おかけしました。」とイケオジは言った。
「叔父上、こちら聡殿、かなみ様、紗友里様。獣魔のフランソワとネロ
今回の叔父上の対応感謝いたします。」とアルフさんが私たちを紹介してくれた。
「いや、声をかけてくれて良かったよ。みなさん、マキシマス侯爵家が後ろ盾を請け負わせていただきますので安心してギールウエスタニアで活動いただければと思う。」とアーノルドさんが言ってくれた。
「後ろ盾感謝します。侯爵、私たちは何か侯爵家に対してしなければならないことなどはあるのでしょうか?」と聡が確認する。
「いや、何か特段してもらうことはないよ。書類を何点か書いてもらう程度だね。
あとは、明後日国王に謁見して後ろ盾としては完了だよ。
時間がかかって申し訳ないがこれでも最短になるのでご協力願いたい。」と説明してくれた。
では、と執事さんがアルフさんを見ると
アルフさんが書類を出した。
こちらに署名をと言われ
かなみ達は顔を見合わせる
「私たちこっちの文字書けるの?」とこそっと紗友里に耳打ちするかなみ
「書いてみるしかないよ。ダメなら横に代筆じゃない?」と紗友里が小声で答える
「書いてみるだけ書いてみよう」と聡
かなみが署名と言われた場所に名前を書く…ダメだ日本語である。
「あの、私たちこっちの文字書けないです。」とかなみが執事さんを見る
「かしこまりました。お名前を書いていただいて横に代筆させていただきます。」と執事さんは丁寧に代筆を申し出てくれた。
「これでかなみと書いています。」とかなみが言うと
横に執事さんがこっちの文字でかなみと書いてくれた。
聡と紗友里も書き込み代筆を済ませる
獣魔はどうしたらいいですか?と聞くと
それはこちらの書類にと
冒険者の登録の羊皮紙に書き込みを頼まれたので名前と説明をする
何枚かに記名すると書類自体はこれで終了だそうだ
王様が印を押してくれたら控えを1部こちらにくれるそうだ。
ふむふむと話を聞いて
今日と明日はこの屋敷で過ごして欲しいとのこと
明日は昼前には登城して謁見まで待ち時間、調印をしたら一応食事会の予定だそうだ。
王族と食事とか拷問か…(笑)と思っていると
「明日の食事会はそこまで畏まったものではないから心配しなくて大丈夫だよ。」とアーノルドさんが言ってくれる
「私たち向こうの一般庶民なのでマナーなど一切わかりません。それでも大丈夫ですか?」とかなみが素直に質問する
「大丈夫です。食事会では不敬罪に問うようなことは無いとお約束いただいてますから」と笑顔をみせてくれたアーノルドさん。
「私たちと食事しても楽しいことは何もないと思いますよ。」と聡が苦笑いで答える
「はっはっはっ、王にしてみれば人となりが見たいのでしょう。気にすることなく普段通りで大丈夫ですよ。」とアーノルドさんは声をかけてくれる
「普段通りとか心配でしかない…」ぼそっと紗友里が言う
「「「「ぶっ」」」」疾風の蒼炎のラグウさん以外の皆さんが吹き出す。
「私も心配…」とかなみがこぼすと
「心配でしかないのはマミのことだよ」と紗友里がとどめを刺してくる
「娘が冷たい」と聡の胸に顔を埋めるかなみ
よしよしとかなみを撫でながら笑顔の聡
アーノルドさんがその様子を見ながらこれなら問題ないなと
執事さんに何かを伝え
「皆さん、すみません。当主はまだ仕事がありますのでこの辺で失礼させていただきます。」と断りを入れて退出していった。
「夕食は」と説明されたので別に自分たちで用意できるから必要ないですよと一応言ったのだが、王族との食事会があるから近い流れで食事を出すので1度試してみてはどうかと言われてそういうことならとお世話になることにした。
私たちの客室は大きなキングサイズのベッドの部屋と扉続きでダブルベッドの部屋を貸してくれたこれなら紗友里も心配なさそうだ。
こっちに来て初めて自宅に帰ることなく過ごした。
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