第38話 再会の時

こうして向こう側の11階層までマップを埋めた

聡と紗友里のマップはたまに同期しているらしい

聡のマップの方が詳細なので紗友里がたまにタブレットを煽ると

聡のマップが紗友里のところにも更新されるらしい

スマホの同期みたいなものだね。

一度勝手に常に同期のような状態にしてみたら聡のMPの減りが半端なくてやめたのだ。


そして、かなみは冷蔵庫でひたすらビールを冷やして

足りない野菜や飲み物などを買いに聡と車で出かける

帰宅後は全自動で料理をしこたま作るのだった。


ビールの冷やし方だが、普通に水を冷やすとかだけなら魔法で出来るのだがビールだけは加減が難しく凍らせて失敗してからはビールだけは冷蔵庫で冷やしている。

冬なら外でいけたのにと思うかなみだった。

ちなみに聡は冷凍庫も使う

30分ちょっと冷やすとちょうどいいそうだ。

一度飲みながら冷やして居眠りしてしまい凍らせたのをかなみは知っている

気を付けるのよ~とだけ声をかけるのだ。



日付の経過のせいで向こう側のダンジョンのボスも復活を遂げており

毎回倒すのが面倒ではあったがレベルアップしたので良しとしよう。

かなみLv.53

聡  Lv.55

紗友里Lv.53

フランソワLv.74

かなみと紗友里が同じレベルにはなっているが、かなみの方が攻撃力が高い1.5倍だ。

紗友里のMPはかなみの2倍、紗友里のMPは本当に高かった。

かなみも向こうの人のステータスを見たことはないが相当だろうと思った。

洗い物しながら片付けしただけで驚かれたからかなみ自身もMPは高い方だとは予想していたが紗友里は段違いだ

ちなみに聡のMPはかなみとさほど変わらない少し低い程度だ

ただし、聡の影移動で消費されるMPがものすごく高いのだ。

これは緊急事態の時だけと家族で決めた。




━━━かなみ達が訓練している時 疾風の蒼炎 ━━━━━━━━━━━


「アルフ頼むぞ」とクローが言う

「ああ、こういう時しか使い道のない貴族籍だからな。好きにやらせてもらうさ。うまくいくといいが」とアルフ

「アルフの親戚の方よろしくお願いします」と祈るサラ

その横で祈りのポーズのショートとラグウ

宿についたらすぐに筆をとり手紙にしたためる

説明が大変でパンパンになった封筒を手にエルフの里のギルドへ向かう


エルフの里のギルドから速達を出す。


返事が来たらすぐに宿に連絡をくれるように追加料金も忘れない。


結局返事が来たのは10日後の日暮れの頃だ

返事を受け取り宿屋に戻る

戻ってきた返答は大きな封筒だった


「早く開けてくれ気になって夜しか眠れん」とラグウが急かす


「あれだけ寝れば充分でしょ」とサラが言う

でも急いでほしいのは一緒なのかソワソワしている


「開けるぞ」とアルフが開けて読むと

もっと細かく説明しに一度戻ってきて欲しいこと

後ろ盾になることは構わない、その人たちも連れてきなさい

国王との謁見を済ませ、力になってもらいます。

後ろ盾になるための必要書類が入っていた

頼もしい叔父だとニヤリと笑うアルフ


「その顔は、お前の叔父さんは本当に頼もしいな。これで命を助けてもらったお礼ができる。しかし、アルフ一人に任せてしまってすまない」とクローは頭を下げた。


「らしくない。いつもの笑顔で助かっただけでいいじゃないか。」とアルフ


元々貴族籍を持っている冒険者など偽名で活動する者や相当な変わり者くらいしかいない

貴族の3男4男ですら騎士や護衛など騎士の学校を卒業するなどして、冒険者になる者は少ない

それなのに侯爵家次男であるアルフをクローは受け入れてくれた。

貧乏暮らしだぞ。と笑いながら

防具だってリーダーなのに一番最後にしてメンバーを優先してくれている

良いリーダーに巡り会えたと感謝しかないのだ

実家には自由にさせてもらっていることを感謝はしているが

あの家にはいられない…。理由も聞かずにメンバーに加えてくれて

仲間にしてくれたことアルフは感謝以外の気持ちを持っていなかった。

しかし、王都に戻らなければいけない

屋敷には兄が居る。


大丈夫だろうか…。

いや、行くのは叔父上の所だ大丈夫だ…不安を頭を振って払い除けるアルフだった。

必要書類に目を通し確認をした。

そして、彼らが来たら書き込まないといけないものだけをまとめ別な封筒に入れる

その他の書類は元の封筒に入れマジックバッグに入れる

こうして、聡たちとの約束の日付まで足りない物を買ったり

武器を直したり忙しく過ごした。

待ってる間は手につかなかったのだ。


エルフの里の買い物をしながら

サラが呟く

「かなみさんの料理が恋しいー」


「聡殿とのエールの約束は叶うのだろうか…」ラグウも切なげだ。

だが髭面の樽の体で切なげに呟かれても残念なだけだ


「2人ともやめてくれよ。命の恩人におねだりなんて絶対にダメだ!」クローが釘を刺す


「「はーい」」と仕方ないと返事をする2人


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




そして、約束の日が来てしまった。

昼過ぎ相変わらずこの家族はなかなか起きない。

かなみだけどこか気乗りしない顔である。

聡は表情が読みにくいだけ、あまり乗り気ではないようだが紗友里が希望しているので叶えてあげたいとダメなら沈めるくらいに思っているのだろう

フランソワは楽しい世界が待っていると思っているのか尻尾を振っている


仕方ないと向こう側の12階層へ行こうとなった。

10階層より上には人が居る可能性から行っていないのといきなり現れたらクローさん達と鉢合わせても困ると思い12階層を選択した。

いつくるかわからんから12階層から11階層に行って遊んで待ちましょうとなったのだが

かなみは忘れているのだ、聡のマップには人がいるか表示されるのを

聡も待ってもらえばいいと思っているので何も言わない。

このあたりはいつもかなみから怒られるどーして言ってくれないの?私には気付かないこと沢山あるんだから教えてくれないとわかんないのに!と言われる

かなみやさゆちゃんが待つなら教えるがあいつらが待つなら待てばいいのでは?と思ってるので今日も言わない。


12階層から11階層へ行ってボスを倒して10階層へ向かう階段側に歩き出すと

11階層へ行ったらクローさん達が居たので

慌てて駆け寄ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る