第34話 この世界の常識を学ぶ
そして、このダンジョンの話になる
どうやら他のダンジョンより敵は強いと
経験値の割に強くて参ったと言うクローさんに周りのみんなも頷いていた。
他にも依頼された冒険者はいないのかと聞くと
あと2組ほどダンジョンに潜っていると教えてくれた。
話し方からいって、特に仲が良いわけではなさそうだ。
それもあってつい功績を残したくて無理をしてしまった部分もあったのだろうと申し訳なさそうに話してくれた。
「うちのリーダー素直すぎるのよね」とサラさんが苦笑いだった
でもクローさんの人柄で集まっているパーティなのだろうと思った。
しかし、他の冒険者はどこにいるのだろうと聡は思った。
反応が無いのだ。
マップをすべて埋めたわけではないが帰宅用魔法陣を探すのにそこそこ走り回ったのだその中には居ない
近くに居ればマップには出なくてもフランソワが誰かいると気づくのだが
隠密が使える?とは思ったが何人かいるならその可能性は低いと思った。
聡のマップにはクローさん達が青い点で表示されているかなみや紗友里、フランソワは白点で色が違うと聡は気づいていたが特に問題はないだろうと思っていた。
━━━━━━ 聡視点 ━━━━
そんなことを考えながらクローの話を聞く
どうやら魔法とは本来学校か家庭教師から学ぶそうだ。
勝手に使って学ぶなんてありえないそうだ。
「だって、暴走するだろ。」と言われた。
かなみも紗友里も俺も暴走したことはない。
しいて、言うならさゆちゃんが俺に治癒をかけてくれた時に具合が悪くなった程度だろう。しかも暴走したというよりMPを使い過ぎただけだ、それもこれも俺の体がボロボロだったせいだ暴走したということとは違うだろう。
こちらの常識はそうなのか…。
だいぶヤバい奴みたいな顔をされてかなみが解せぬって顔をしてちょっと面白かった。
そして、こっちは雪などは降るのか?と聞くと
雪なんかドワーフのみが住む北の大地にしか降らない本当に何も知らないのだな。と心配された
きっとさゆちゃんを連れている家族連れでダンジョンに入って稼いでいるからだいぶヤバい親だと思われたのだろう。こいつらにどう思われようがどうでもいいのだが
他にはどんな地方があるのか聞くとクローは少し休憩と周りに伝えて
地面に大陸のおおまかな絵を描いてくれた大陸自体は大雑把にいうとトランプのダイヤを横長にしたような感じだった。北海道も大雑把に描くと似たような形にかかれることがあるからなぁ。などと思っていたが
ちょうど札幌付近に王都がある。
稚内の辺りにドワーフの北の大地
釧路の方には大きな港町 イースタンポートがあるそうだ
帯広にはエルフの里
旭川の辺りにも大き目の都市センタニアがあるそうだ
王都も港町もいろんな種族が住んでいると教えてもらった。
縮尺は違えどこんな感じだろう
あとは、小さな村や町が街道沿いや分岐点などに分布していると
大陸全部でギールウエスタニアなのかと聞くと
ドワーフの北の大地はまだギールウエスタニアには属しておらず
北の大地に入るのには許可が必要だそうだ。
エルフの里は最近ギールウエスタニアに属したらしく今回のダンジョン探索の依頼がきたんだと
しかし、自分達は何も知らずにダンジョンに来てしまったと一応話した。
こんなに進めるとは思っておらず、冒険者登録もまだしていない。
こういう場合はどうしたらいい?と
クローさんは親切に門から入る時の通行証をギルドに出して登録すれば大丈夫だ。
無理はするつもりなかったが攻略できてしまったと話せば別に罰則があるとかではないからな。と
通行証…そんなもんない。これはどーするか
さゆちゃんとフランソワが不安そうだな。
かなみもあれは笑顔貼り付けてるだけでどうしようって顔だ。(笑)
向こうに戻ればいいだけではあるが、既にかなみ達のアイテムボックスには宝石が入ったままだこれ以上の換金は怪しまれるからそうそうできない…。
ダンジョンの向こうの世界に人がいてそっちで換金できるならそれもありだなと話はしていたがそれが経たれるとなると…不味いな。
そんな話をしているとさっきまでの困り顔だったさゆちゃんとかなみがお腹すいたと口パクとジェスチャーで伝えてくる
フランソワも限界のようだ
今日は珍しく朝からダンジョンに入ってしまったので昼ご飯の時間を大幅に過ぎている。いつもなら一度自宅か2階層に行ってかなみの美味しいごはんを食べていただろう
一応マジックバッグには食事は入っているがこの人たちの前で食べるのはどうなのだろうか…
思案しているとかなみにちょいちょいと呼ばれた。
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「お腹すいた限界です。クローさん達にも振舞いましょ。こっちとの食事の違いも分かるだろうし、それに通行証の話とかもう本当のこと話してみるしかないんじゃない?ヤバそうなら魔法陣までダッシュで家に戻るしかないと思う。」とかなみが言う
フランソワが疾風の蒼炎の人たちに愛想を振りまき視線を集めてくれる
紗友里も来て、マミに賛成と小声で言う
ヤバければ自宅に帰って最下層からこちらに来るのをやめればいいとこそこそ話す
決まればこちらのもの
フランソワに最初にご飯を出す。
食べ終わったら周辺警戒をお願いして
「みなさん、ご飯にしませんか?私たちお腹が減ってしまって。」とかなみが言うと
クローさん達は休憩するからどうぞお召し上がりくださいとこちらは気にせずと言う。
どうやら、ダンジョンでの食事はパーティごとが鉄則
よそからお裾分け程度貰ったり交換したりはあるが振舞われることは無いそうだ。
見られてると食べにくいからみんなで食べよう。いっぱいあるからとかなみが誘い
キャンプマットを敷く
「奥さんもアイテムボックス持ちなのか?!」とクローさん達は驚く
「マミ さっき人前で使わない方がいいって言われたでしょ。」と紗友里が言う
「だって、バッグ持ってきてない。身軽がいい」とかなみが折りたたみテーブルを出しながらブーブーと不満を口にする。
「何食べるの?」と紗友里
「何食べたい?」とかなみが紗友里に聞く
紗友里は基本その時の気分の物しか食べてくれない。
食が細いのだ。ダンジョンに通いだしてからそこそこ食べる用にはなったが
動いているわりにはやっぱり食べない。気分が乗らないものはますます食べない。
はい。我儘に育ててしまいました。
「うーん。唐揚げ」と紗友里
「紗友里のとこに入ってる?私のとこには1回分だわ。皆さんに出すなら足りないわ」と告げると
「こっちにいっぱいあるよ。」と紗友里
「1回分でいい。聡さんを基準にしてるから足りなければ焼き鳥とか他の物も出すわ。」とかなみが言う
「OK」と紗友里は100均の大皿に入った唐揚げを1つテーブルに出す。
かなみにも唐揚げを出して。おにぎりののった皿を4つほど出す。
かなみが聡の近くのおにぎりの皿からおにぎりを交換している
小鍋の味噌汁も出してお碗は3つしかないので
クローさん達に汁物入れれる物は持ってないかと聞き出してもらう。
「さ、手を洗ってから食事にしよう。食べなれないかもしれないがうまいから食べてみてくれ」と聡言った。
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