第9話 下拵えとスキル

持って行ったが食べなかったサンドイッチを頬張りつつ

聡さんの魔法陣も見せてもらいながら

みんなでどこまでスキルを増やすべきか相談する

こっちに来てからもステータスは確認できることは紗友里の検証にて実証済みだ

ただ、3人と1匹のバラバラの魔法陣を見ながら考えるのは骨が折れる作業だった。


「これ、紙とかでみんなの並べて見れたりしないの?」


かなみが面倒だぁとギブアップ


「確かにこれは面倒だな。」


「ちょっと待ってね。私のスキルでどうにかできないか見てみる」


新しい物を手に入れるととことん追求派の紗友里が自分のスキルで何かできないか思案し始めた


「便利になるなら今回のビー玉さゆが使ってもいいよ~、聡さん

一服タイムだ」


「ちょっと行ってくるね。」


「うん」


聡とかなみが外に行くと紗友里は悩みだした。


(錬金かな。武器とかも作りたいし。いつまでもマミに鉄パイプは良くないし

聡さんの警棒もあの戦い方ならいつ壊れるかもわかんないし

なんとかなるかはわかんないけど錬金を開放してみるか。)


紗友里の魔法陣の錬金を開放した

すると、描かれていた魔法陣が広がった


(え?これって描かれているまま広げるんじゃないの?

マップが広域になったみたいじゃん。増々見にくくなってしまった。

とりあえず)


錬金の魔法陣には専用ビー玉を入れる場所がたくさん出てきた

そして、どうやら専用ビー玉も光っていないとはめられないらしい

紗友里は自分のスキルの光っていないスキルにはめて目の前からビー玉が消えることはなかったのだ。

光る周りの魔法陣を埋めつつ

新しく光った専用ビー玉の枠には転写と書いてあった。


「これ使えそう。」


迷わず、転写に専用ビー玉をはめ込む

現れただけあり光があったのだ


「錬金ってたぶん材料いるよね。マミー使ってないスマホとかタブレットあったら持ってきて」


ダイニングの掃き出し窓から一服を終えた2人が中に入ってくるのを見て母かなみに声をかける。


「何かできそうなのね!ちょっと待っててすぐ持ってくる」


使っていない古くなったスマホ2台紗友里の元へ持ってくる

紗友里が2台のスマホを両手に持ち重ねて

両手を両側からあてる、拝んでいる状態だ。

すると、スマホが光に包まれ1台になった


「すごくない?!タブレットになった!」


かなみが感動する、聡は無言で目を見開いた


「錬金と転写合わせて使ってみた。うまくできたかはわかんないけど、起動!」


サイドにあるボタンを押すと、サクッと起動したタブレットにはPCでネットを見ているときのようなタブが画面上部に4つ

かなみ、聡、紗友里、フランソワ

かなみをタップすると

かなみのステータスが魔法陣と共に表示された

拡大縮小もピンチ操作で楽々だ


「すごーい」


作った本人すら感動だった

そこから家族会議はさらに進む

ただ、聡は疲れたのか眠そうだ。


「聡さん、眠いのね。お昼寝してきたら?」


「ああ、そうする。スキルは任せるね。」


「おやすみ」


聡はもともと無尽蔵に寝られるタイプだ

かなみは警察時代に3時間で日々働いていたと聞いて

その分今寝ているんだろうと思っているので

寝かせて上げられる時は寝てもらおうと思っている。

そして、かなみも鶏肉の下ごしらえをしたいので紗友里にスキルは任せて

気になる点はその都度声をかけてもらうようにして

料理を始めるのだった。


レバーは筋を取り除き、軽く洗って

牛乳に浸す

結構な量があるので、唐揚げ用とレバニラにしましょと

牛乳に立っているレバーを一度よける


次は砂肝

繋がっている部分をガンガン切り離す

竹ぐしを2,3本用意して

白い膜の下に差し込みサクサク引きはがしていく

砂肝は、ネギ塩焼きとアヒージョだな

砂肝は膜を取ったら切り込みをザクザクと入れて4袋に分けた。

平らにしたらジップロック行だ


次はハツ

白い脂身と管みたいな部分を切り取り真ん中くらいから開く

血の塊があるかもしれないからだ

終わったらサラッと洗って終了

(そのまま焼いて塩コショウも美味しいし、これもきっとアヒージョにもあう

ネギと炒めても、ガーリックもいいかも

それにしてもネズミなのに鶏肉みたいって形もまるで鶏よね〜不思議〜)

頭に浮かぶレシピ分ハツも分けて袋に入れてジップロックへ


もも肉は筋を取り除き

鍋用に細切り、唐揚げようにちょっと大きめ一口サイズに

照り焼き、ソテー用は鶏一枚サイズにもちろん皮はついていない

一番数のあるもも肉

たくさんジップロックができあがる


「ありがたいわ〜。でもホントに皮が無い以外鶏肉みたいよね〜」

いつもの独り言をつぶやきつつジップロックに


むね肉は筋があるか確認して

フライ用にそぎ切りとハム用に身の厚みを開いて整える

フライ用には塩コショウを振りジップロックに

ハムは作るのに時間がかかるので砂糖と塩、ハーブを擦り込み

袋に入れてジップロック


ジップロックに入れた肉の中から今日明日使う物をよけると

後はひたすらセカンド冷凍庫にin

そう、セカンド冷凍庫があるのだ


「収納魔法使えるようになりたいわ。なれるかわからんけど」


「マミー。ちょっときて」


「はい、なんでしょう」


「生活魔法解放したら、あるっぽいよ収納魔法」


「マジ!!わーい(((o(*゚▽゚*)o)))」


「解放する?マミの専用ビー玉3つあるよ」


「解放してもいいものですか?先生」


「うーんどこから解放しても役には立つから、ビー玉集めてあちこち開くのがいいと思う。生活魔法の部分ちゃんと光ってるし」


「お願いします。」


「あ、残念。生活魔法の魔法陣広がったけど、まだ収納魔法は光らないわ」


ガーンっとその場うずくまり悲しみに暮れるかなみ


「そんな〜収納したいよ〜、時間を止めて腐らなくしてさ料理いーっぱい作っていつでも出来立てなんて夢のまた夢なのにぃ〜」

ブツブツ呟く


「そのうち解放できるから、良かったじゃんあるんだから」


「そうね」


すっくと立ちあがり

下処理のつづきを始めるかなみだった。

切り替えも大変早いのだった。


牛乳漬けのレバーを洗い水気をぬぐっていく

面倒だから軽めに

唐揚げ用はジップロックにそのままin

焼いて食べる分はクッキングペーパーでサンドしてラップをする

唐揚げ用のレバーにニンニクチューブ、すりおろし生姜、豆板醬、酒、塩コショウ、ごま油を入れて軽く揉んだら冷凍庫行だ


ささみの準備に入る

筋があるので包丁で丁寧で切り取る

フォークでもできるとネットには書いてあったがかなみは上手くいった試しがないのでおとなしく包丁だ。

ささみは数が多かったのでなかなか時間がかかる

酒蒸し用はそのまま袋へ、ササミのフライは袋に入れて梅干しチューブ青じそチューブを適当に絞ってもみもみこれは2つに分けた。

同じくフライプレーンは塩コショウをして2つに分けた。

なかなかの量ができた。


「ねずみなだから手羽とか手羽元は流石にないのよね~残念だわ〜」

いつもの独り言だった。


「さて、今日は、レバーを焼いて、ハツも焼いて、胸肉も焼いてとりにく(偽)の焼肉にしましょ。あとは、もやしがあるからナムルして~、わかめスープでいいかな~」


献立も決定して休憩に入るかなみだった

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