ニジノツヅキの魔術解説・魔刃について(背景編)
今年もデュアル・デュエルの校内大会、
魔刃士や繋援技士を志す多くの学生が一度は通る試練にして、最も盛り上がる学校イベントの一つです。信坂に限らず和国じゅうの魔術高専で繰り広げられる熱戦を、よりお楽しみいただけるような記事をガンガン書いて参ります。
ちなみに僕は出場予定はありません、あったとしても競技結果は触れないつもりです。一応は匿名ですし。
デュアエル自体の説明の前に、今日は魔刃についての説明をします。
というのも、少なくない人が疑問に思っているはずなんですよね。
これだけ様々な魔動機器が発達した中で、なぜ近接型の武器がいまだに多用されているのか。
巨大な怪物相手に刀や槍で立ち向かうという危険な戦術が、なぜ主流なままなのか。
結論から言うと、現状でもっともサステナブルな対
順を追って説明していきましょう。いつも通り、教科書よりはフランクに、SNSよりはしっかりと、です。
①壊獣ってなんだっけ?
まず魔獣(=魔法適性動物種)とは、人間の魔適者と同様に
その魔獣を人類との関わりによって分類すると3種類。
人間と共に暮らし協力関係にある
人間に協力もせず敵対もせず、自然の中で暮らす
そして、人間に危害を及ぼす恐れのある、あるいは危害を及ぼしている壊獣(=破壊的野生魔獣)です。つまり、あくまで人間側の都合で魔獣を区分けしたのがこの三分類。
壊獣と判断される要素は色々ありますが、重要なのは「生態系の中で淘汰されないくらい強い」ことです。攻撃性もですが、耐久性が凄まじいんですね。人類が魔と智を結集して実現してきた強靱性・堅牢性を、自前でやっちゃえる。
それを倒すとなると、相応の破壊力が求められるわけです。
②人類の攻撃手段ってどんなのだっけ?
まずは魔法なし、純粋工学的手段。
有毒ガスとか爆薬とか色々考えられますが、それを仕掛けようと思うとめっちゃ大変ですし、周辺環境への影響が甚大です。壊獣が出るたびに爆薬を使っていたら、野山も国家予算も吹き飛びかねません。実証作戦でも、扱いづらいという結論が出たそうですし。
次いで戦闘用魔動機器、つまり魔術適性なしでも使える魔法ツール。例えば力学系の操動魔法で弾丸を飛ばす魔銃器とかですね。
これはシンプルに威力不足です。人が着るようなアーマーは撃ち抜けても、壊獣の甲殻には歯が立ちません。遠い昔に廃絶された火薬式の銃砲技術とコラボすれば話は変わるかもしれませんが、今は政治的にも技術的にも難しそうです。
最後に戦闘用魔術。
代表的なものは破甲性を持つ射出式魔術ですが、これで壊獣を倒そうと思うと魔素消費が非常に多くなります。他にも炎熱・氷冷・雷電魔術や、破壊力のある物体への操動魔術なんかもありますが、いずれも破壊力に対する魔素消費量が高めです。コスパ的に不利。
ご存知の通り、魔法に必要な魔素、あるいはその源である魔素結晶は、現代社会に欠かせないエネルギー資源です。循環による自然界からの供給にはまだ余裕があり、人工的な生産も可能とはいえ、その供給量は無限ではありません。浪費は不足を招き、不足は対立を生みます。これは前制紀までの血塗られた歴史の通り。
さらに射魔術をはじめとする遠隔攻撃魔術は、人間同士の戦闘、特に海上戦闘において必要性が高まっています。つまり島国である和国の安全保障上、最低限ストックしておきたいリソースも存在する。
これらを踏まえて。
「壊獣を確実に倒せる」「リソース上のリスクが少ない」「周辺環境への悪影響が軽微」という利点を備えた魔刃戦術が、対壊獣戦の主流となるのです。
長くなってきたので今日はここまで。魔刃の技術面はまた別記事でお伝えしますが、こっちは専門性が増すのでスルーでも良いかな。
どうして魔刃が使われ続けているかの背景は、覚えておいてください。男性魔技士を優遇するため、みたいな説は全くの見当違いです。聞いてるか某紙。
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