第23話
俺はあれの後、
広い一つの部屋に通された、客間らしい。
…広すぎて落ち着かないな。地球にあった俺の部屋の何倍の広さだよ?
「ん?」
何だ?この感じ…
「どうなさいました?大魔王様?」
「いや、なんか…」
今、誰かに名前を呼ばれたような…?
いや…気の所為か
「大魔王様?」
「いや、なんでも―」
チュィィィィイイイイイイイイイン!!!
?!?!
「始まったか…」
え?何の音?え?待って?何で
嘘って言って!お願いします!
ガン!ガン!ガン!ガガン!!
ズドドドドドドドドドドドドッ!
ボコッ…ボボコッ…
「い、いや〜たまたま厨房のリフォームをする日と被っちゃったか〜」
何でだろう、暑くもないのに汗が…
「いえ、そんな予定はありません。
大魔王様…貴方様も薄々お分かりかと
思いますが、コレは―」
フォンッ!ブォンッ!
ギ、ギギギッギギッバキャッ!!
「我が娘が料理をする時に発生する…
調理音でございます」
いやぁぁぁぁぁあああああああっ!!!
ジッジジジジ…ジ…ジジッ
ピッピッピッピーーーーーッ!
「プギャァァァァアアアアアア!」
「ちょっと待て!最後!明らかに何かの
悲鳴じゃなかった!?」
異音の中で一つだけ浮いてたぞ!?
「使っている食材は普通の物ばかり…
なのですが…何故か娘が調理をすると…
毎回、この様に少なくとも一回は悲鳴が
聞こえるのです」
「…………………………はぁっ!?」
流石にそれは嘘だ!だって…そんなの…
もし、本当だったら…出される側にとっては、ホラーじゃねぇか!そう思ってた
俺の耳に義父の呟きが聞こえた。
「しかし、悲鳴が一回…という事は」
「悲鳴が何なんです!?」
コンコンッ
ビクッ!!
「貴方様、お父様、料理が出来ましたので持って来ました!入ってもいいですか?」
どうしよう、どうしよう、どうしよう、
どうしよう、どうしよう、どうし―
「ああ、入りなさい。こちらも丁度一段落した所だ」
お義父さーーん!心の準備をさせてーー!
「失礼します。こちらが私が今作った料理です。簡単な物で恥ずかしいですが」
サニーがそう言って持って来た皿の上に
あったのは…
「………………………サンドウィッチ?」
何で!?何をどうすればサンドウィッチを作るのに、あんな音が出るの!?
これの何から悲鳴が聞こえたの!?
俺はそれを知っているであろう人物に目を向けた。そう、
「私も出来る事はしたのよ?食材も、
調味料も、その分量も、使う調理器具まで全部、私が揃えたわ。もちろん作る手順をキチンと教えもした。でも…その結果が
コレだったの…私も途中から何が何だか
分からなくなって…ごめんなさいね、
役に立てなくて。それと…いくら見た目が良くても絶対に食べては駄目よ。これは【予知】では無く、母としての勘だけど、これは恐らく今までこの子が作った中で
一番ヤバいわ。それになにより…悲鳴が
一回だったし」
調理音の悲鳴の回数で何かあるんですか!?駄目だ…俺の中で恐怖が巨大化していく。なのに…何で、そんな捨てられた
子犬の様な目で俺を見るの?サニーさん。え?やっぱり食べなきゃ駄目?義両親が
こんなに言ってるのに?
「頑張って作ったんですが…貴方様、
やはり食べては…くれませんか?」
美人の涙目&上目遣い…破壊力がすげぇ。ただ…手料理の破壊力も凄いと実の両親
から太鼓判を押されてもいるんだよなぁ…何か無いかな…この際、何かの襲来でも
いいから。この
逃げる事が許される何か…何か無いか。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
レオ…
頑張れ★
さて、次回は…どっちでしょうね?
食べて死に、蘇るのか…それとも、
レオの願いが天に届くのか…
応援、フォロー、コメント、☆、
気が向いたらレビューをしてもらえると
とても励みになります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます