第10話 休み時間 その2
僕のお姉ちゃんは五年生で、とっても勉強が出来て、ピアノ、バイオリンがとても上手で、何回もコンクールで優勝するくらい。
いま、休み時間で、次の授業で使う絵具が無くなったので、お姉ちゃんの絵具セットを借りに、教室にいくところ。
お父さんは、有名な音楽家、指揮者って言うんだけど。
雑誌や、テレビ、専門チャンネルや、ネット配信で、見ない日は無いくらいとっても有名な自慢のお父さん。
この前も、お父さんが、とっても若い時の映像が流れていて、僕とよく似てるって言われてた。
でも、あまり家にいなくて、今度ういーんていうところに音楽をしにいくみたい。全国放送するって言ってた。
あ、サッカークラブのゴートゥ先輩だ、挨拶しなきゃ。
あ、えーとおねいちゃんに絵具借りに来ました。
え、違う、おねいちゃんは隣のクラスですか。
あ、ついてきてくれるんですか。
ありがとうございます。
挨拶ちゃんとできて偉いね、っていつも挨拶はきちんとしなきゃ、って逢佐古コーチに
いつも言われてますから、です。
あ、おねいちゃんがいた。
ゴートゥ先輩が、呼びに教室に入って行った。
廊下の外を見ると、桜の木とよく似た木、梅っていうのかな、綺麗に咲いている。
あれ、木の下に大人の女の人が二人立っている。
先生や、お母さんがいつも着る服じゃない、ウーン、あ、正月や、親戚の結婚式でお母さんが来ていた、着物に似ている。
どうして、こんなところに。
新しい先生かな。
あ、おねいちゃん、絵具ありがとう。
おねいちゃん顔まっかっかだよ、風邪?
あ、ゴートゥ先輩ありがとうございました。
まだ、真っ赤だよおねいちゃん。
でも、ゴートゥ先輩は優しいな、あんな人が僕のお兄ちゃんになってくれないかなー。
あ、おねいちゃんがゴートゥ先輩が結婚したら、僕のお兄ちゃんになるのかな。
あれ、どうしたの、何怒ってるの。
『しょうごー!』
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