第5回 京都ならではの洗礼!?

 なんとか知人の事業所へたどり着いたころには、あたりはすっかり暗くなっていたんです。


 知人は自分よりも世代が上なのですが、事務として働いている奥様もいっしょに迎えてくれました。


 もてなされてしばらく、積もる話に花を咲かせていたんです。


 知人は大阪の出身なのですが、着物や京都の文化が大好きで、とうとう住んでしまったというパターンだったりします。


 京都人になりたい人って、ちょこちょこいるらしんですわ。


 個人情報の関係で、あまり立ち入ったことを書けないのが残念ですが、会話をしていると知性がオーラのようににじみ出てくる方です。


 久しぶりに会えたものですから、柄にもなく調子に乗ってしゃべっていたんです。


 するとその知人は、首をかしげて目をつむりはじめました。


 これは「早く終わって」の合図なのです(汗)


 京都ではお茶漬けを出されたら、「おかえりください」を意味するということです。


 有名な話ではありますが、本当なんでしょうか?


 とにかく、知人からそのような合図が出ましたので、自分はそそくさと退散した次第です。


 知人の性格は知っていましたが、場所が場所だけに、「これが京都の洗礼なのか?」と、もやもやと考えておりました。


 旅行は二泊三日で、ここまでが初日になります。


 ホテルに戻ってその日は休みました。


 しかし、翌日の朝、東北人の自分にはちょっとびっくりするイベントが起こったのです。

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