Die Unordnung
水無月主水
第1話 書き散らしたもの
書きすぎたあまいタッチの鉛筆で下書きを書く「先立つ不幸」と
この山にルリカラクサの咲くといふたれもその名で呼ばないけれど
あかいくつはいてた女の子の待つ波止場へ海底電車に乗つて
雨の予報ではないけれど傘を持つ返り血予報は三割だから
受け入れられざるものとして生を受け受け入れられざるものとして死す
満開の桜と聞いて出かければあたりはバカ、バカ、バカバカばかり
おなじ死を溺死と云へばみぢめだが入水は上京するかのやうで
級友のすることにただ従つてみなと同じは幻想である
ワイガヤを尊ぶ中にただひとりしづかな渦の中に佇む
降つてゐないふりをし乍ら降つてゐる雨よ私を呼んでゐるのか
職場にて辨天小僧音羽屋の聲音を真似る誰も気づかず
この殻をいつか誰かが割るだらう夢見て眠る胡桃の実かな
マクベスは嗣子を欲しはせなんだか王・バンクォ・マクダフにはありしを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます