幻夢の玉座にて師と棋を指す、プロヴィデンスの老翁にしてセレファイスの王。かつて謳いあげし夢たちとともに、覚醒の領域を眺めやるかれの胸にきざすものは何なのか。HPLを愛する者ならば、ぜひとも味わうべき芳醇なる逸品です。
我らに「宇宙的恐怖」を叩きつけ覚醒に導いたあまりに偉大なラブクラフト御大と、並び称されるダンセイニ卿がセレファイスにてチェスを差す、このシチュエイションだけで感涙ものです。我ら邪教徒が歓喜する要素が、彼らの周りには配置され、ドリームランドでの永遠が描かれる。今の苛烈な時代を映してもいますが、なに、あの方々がいる。そう、邪教徒は知っている。確かな司祭としての知識と知覚で、この一章を我らに届けてくれた甲斐ミサキ氏に、アザトースの慈愛あれかし。