推しのトポロジー

白池

プロローグ

 「みんな今日は来てくれてありがとー!」

「私たちがデビューしてから今日でちょうど二周年。ついに夢だった武道館でこうやってみんなといられるのがむっちゃ幸せです!」

「そんな喜びとみんなへの感謝を込めて、歌を書いてきました。それじゃあ、盛り上がっていこう!」

 響く歓声と光り出す客席。同じ世界とは思えないほど対照的に薄暗く静かな部屋から見る彼女らは一段と輝いて見えた。

 「私と彼女らは何が違うってんだ。」  

宵闇の冷たさが頬を撫でた。

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