異世界攻略が進まない!
碧色
第1話 異世界転移と初めまして
「っは」
なんだかとんでもない悪夢を見ていた気がする。
いつも通り見慣れた天井を見つつ目が覚める。今日は火曜だからまだまだ授業だらけの1週間は終わらない。読みたいお話が沢山あるのに。
「みかみちゃーん、朝ごはん出来てるよ〜」
お母さんがドア越しに私を呼んでる。早く行かなきゃ。ベッドの傍に置いてある眼鏡を着けたあと、ベッドから立ち上がろうとした。瞬間、サァっと血の気が引く。立ちくらみかと思ったが、経験したことのあるものとは違った。そのままバサッと再びベッドに倒れ込む。そして意識をまた手放した。
・・・・
「っは」
飛び起きる。今度は少しも寝ぼけることもなく立ち上がった。しかし、今度は見えるべきものは見えなかった。そう、晴れ渡る空。言うなれば青天井があった。足元は草原。
「ここ、どこ?」
あまりの出来事に不意に口からこぼれた。2度寝?のようなことをしたら急に外。家から追い出された?
そんな訳無いっていうのはお母さんの性格からも、この現状からもわかった。目の前にもう1人私と同い年くらい、たぶん高校生くらいの女の子が寝ていた。私と同じような状況なのだろうか。私は眼鏡をつけて上下中学の頃から変わらないピンクのパジャマ姿なのに対して彼女はブレザーにスカート姿だった。髪の毛がかなり明るい金髪だった。ちょっと怖い。
何はともあれ、何か知ってるかもしれないその子を起こすことにした。
「あ、あの〜大丈夫ですか?」
私自身全く大丈夫じゃないけど肩を揺すりながら起こす。
「んむむむむ」
寝起きが悪そうなことは何となくわかった。そのまま揺らしつづけると彼女もゆっくり起き上がった。
「んえ、あ、へ?」
「あ、オハヨウゴザイマス」
「えっと、だれでどこ?」
わかる、わからないのがわかる。
「えっと、天野みかみっていいます、どこなんですかね、、、?」
それから私は同じ状況にいること、朝起きてからここに来たことを説明した。彼女も私に色々と説明してくれた。彼女の名前は姫野コノハ、らしい。彼女は登校中に倒れてしまったらしい。だから、制服。
「うちのことはひめちゃんって呼んで!かわいいから」
「えっと、ひめちゃん?」
「うんうん、あなたは〜、みかみーね」
「み、みかみー?」
完全に陽キャにやられてる。陰キャは名前を呼ばれるのが凄く違和感なのに、、、。
それから私たちは周りを見渡した。さっきまではかなり混乱してたけど、落ち着いて見てみると、明らかなことがあった。なんか動いてる木。空を飛ぶ大きすぎる鳥。そして遠くに見えるレンガ造りっぽい街。
「みかみー、ここって『イセカイ』じゃない?」
「!?、、、そうかもです」
陽キャの口から異世界というワードが出てくるなんて、言い慣れてなさそうではあったけどびっくりした。
何を隠そう私はかなりの異世界転生、転移物好き。特に聖女がイケメンたちとハーレムする作品が大好物。あんまり共感されたことは無いけど。
「うち、異世界転移?好きなんだよね」
「ンえ!?なんで!?」
驚きと喜びと混乱が襲う。
「なんでって何!」とてつもなく笑う。
「うち、好きな少女マンガがあって、その作者が異世界転移の作品の作画ってやつやってたんだよね〜」
「な、なるほど」
「『聖女は守られたい!』ってやつ、知ってる?」
「知ってます!ミカくんが最高にかっこいいです!」
「え、わかる!うちら気ー合うね〜!」
まさかだった。陽キャと異世界転移、しかも1番好きな作品について話せるなんて。向こうは漫画の方を読んでるみたいだけど、私はネットで小説版を読んでるってことは言わなくていいかな。
「それこそ昨日もそのマンガ読んでたんだけどな〜」
「え、私もです。あれ?もしかしてこの展開って、、、」
「あ!『せいまも』の最初と一緒じゃん!」
異世界攻略が進まない! 碧色 @chan828
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