昔話に登場する、花咲か爺さん。この話は――情報過多に押しつぶされそうな現代において、少し違った花畑を作り上げている、もう一人の花咲か爺さん。枯れていた花を咲かせる。その意味では、たしかに似ているのかもしれない。けれど、咲いたその先に広がるものは――どこか、虚しさを感じさせる。そんな、不思議な余韻を残す一作です。