第25話

私は呆気にとられた





確かに私はセツを探さなきゃいけない。


だけど、この人と一緒に?


この大学生の青年と、二人で?





私はしばらく無言だったが、フッと笑って







「……いいですよ」


「え、本当?!」


「はい……なんでかな。貴方とは初対面の気がしないですし」







そう、なんだか彼とは初めて会った気がしない。


昔、どこかで会ったことのあるような。



そんな気がする。



なんだか妙に懐かしくて。





私は彼をよく知ってる。


いや、誰よりもよく知っていた、そんな気がしたんだ。

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