第21話
彼がそう言った瞬間、私の心が震えた
いや、魂が震えた気がした。
ドッと暖かいモノが溢れ、体を満たして。
全身が痺れていく、そんな感じがして。
熱いモノが胸の奥を溶かし、そして頭のなかが真っ白に。
でも気分はとても良くなって。
「セツ……雪……」
セツ
ああ、セツ
なんだろう。
すごく、愛しい。
この二文字が、とても愛しい
私にとって、とても大切な……
名前。
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