第16話
薄い唇から出たその言葉に、私は目を見張った。
雪は、悲しそうな、切なそうな、そんな表情を浮かべていて。
私は何がなんだかわからず、平静な雪に尋ねた。
「ど、どういうこと?無駄って…」
「ガン、みたいなんだ。肝臓ガン」
ガン…!?
「ガンって…!で、でも、治るガンだってあるんでしょう?まだ諦めるのは……!!」
「末期なんだ、彩月。余命は…あと半年」
は、半年…?
心臓が鈍い音を立てる
…何かが壊れていく。
目の前が真っ黒に。
頭のなかは真っ白に。
「う、そ…も、もう助からないの…?」
「100%じゃない。でも、助かる確率は低い」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます