未来視の姫 ~SUHIDININOKAMI~
雷撃を受けたヤチホコは、髪が逆立ち、顔は
「やるじゃん、あの
「まったく、
「おうよ。これくらい、いつものことだ」
ヤチホコはそう言うが、その目は明らかに楽しんでいる。
「まず、顔を拭け…」
そう言ってカワノ、ヤチホコの
「も、もぉ~、なにやってんのさ四人もいてッ?」
群衆は、先ほどの騒動に一瞬ざわついたものの、すぐにウケイ国の喧騒に飲み込まれてしまったようだ。シバの姿は、どこにも見当たらない。
「あの勢いで逃げれば、すぐに見失いますよー、しょうがなくない?」
カヅチが、先ほどまでシバがいた辺りを見つめながら
「
「まあ、いいさ。どうせまたどこかで顔を出すでしょ…」
キンとギンは、まだ
「ねえねえ、今の見た? すっごかった!」
ギンが目を輝かせながら言う。キンも興奮した様子で頷いている。
「「「「さすが、
子供たちにとって、シバの雷撃やヤチホコの演武のような動きが、
「「「やめてください! お願いしますッ!」」」
カワノたちは、子供たちに懇願。
「なんだ? その
ヤチホコは、キョトン。
「許すッ!
☆ ★ ☆ ★ ☆
ウケイ国の喧騒は夜になっても衰えることを知らなかった。ギラギラと輝く
「掴め」
カワノの冷たい一言と、耳に響く金箍の締め付け音が、二人の足を現実に引き戻した。
「ジェ、
カヅチが涙目で抗議するが、カワノは冷たい視線を送るだけだ。その後ろでは、ギンがポツリと呟いた。
「
みんなとは少し離れて、
パンドラは、人混みの中でもひときわ目立つ存在だったが、周囲の喧騒とは隔絶されたような雰囲気をまとってた。時折、何かを予見するように顔をしかめるが、その言葉を誰かに伝える様子はない。
――彼女が、パンドラか…
「どうかしましたか、
カワノが訝しげな表情で問いかけると、
「う~ん? 行くよ
「「「「それやめてください! マジ、お願いですからッ?」」」」
ウケイ国の夜はまだ始まったばかりだ。それとは別に、
賑やかな通りを歩いていると、キンが突然立ち止まり、
「ねえ、あれ見て? 美味しそう!」
指さす先には、湯気を上げる屋台があり、見たこともないようなカラフルな団子が串に刺して売られている。
「ちょっと、寄り道しても良いッスか?」
カヅチも
「ちょっとだけよ」
カワノは嘆息、子供たちのウズウズした様子に少しだけ歩みを緩めた。
屋台に近づくと、甘い香りが鼻をくすぐる。キンとギンは、それぞれ違う色の団子を一つずつ買い、頬張り始めた。
ギンは、
「ん~!」
キンは、
「味の
二人の笑顔を見て、カワノも少しだけ心が和んだ。カヅチも、何やら香辛料の効いた肉の串焼きを満足そうに頬張っている。
そんな時、
「気づいてて、気づかないフリとか
「変えられない未来なら見えない方がいい…
悪びれることなく、パンドラは口を開く。先ほどの寂しげな憂いを帯びた眼差しが、嘘のよな乾いた視線。
「
「断る」
低い声音にパンドラは即答する。ふたつ名の由来は、
「
また、言葉を被せようとするパンドラに、
「ヨぉガフレイルッ!」
乳房にフレイルビンタを受けたパンドラは、涙目に踞ってる。
「
「おまえ女神じゃん。ならばヨシッ!」
「いいわけあるかッ?」
噛みつくパンドラに、
「なら、ウケイをしようぜ
「あたしが勝ったら?」
まだ痛みに涙目のパンドラに、
「カヅチをやろう」
「なんて?」
キョトン。
「カヅチ? 誰よ? ん? あの人の孫? 顔は面影があるわね…」
未来視に情報を得たパンドラ、
「乗ったぁ! 好きにしていいのよね?」
乗る。ウケイに。
「ああ、煮るなり焼くなり好きにしな」
「だ、だから、なんて?」
「
「え、ちょぉ、
カヅチ。状況を把握し安請け合い。
「あら、可愛らしい
パンドラは、
「どゆこと?
「ツクヨとなんかあったらしいよ」
「じ、
カヅチは、悲鳴。
「ウケイの方法は?」
「未来が変われば、君の憂いは失くなるんだろ? ヤチホコとイワノを貸してやる。この二人が、君の見た未来を変えたならぼくの勝ち、ダメなら、
「あたしの未来視は絶対よ? 神さまに――」
今度は、パンドラの言葉を、
「ぼくは君と違って諦めないし、変えられない未来に絶望しない」
ピシャリと被せる。
「変えてやる。過去も未来も変えてやる」
「「「「え、じゃあ黒歴史も変えてください御自分で」」」」
「
みんなは、屈んで
「「「「いッ痛ぁ~いッ!
オヤクソク。からの、
「「あんたら神さまじゃん」」
「ならばヨシッ!」
様式美。
「「「「
「それで、なにをすればいいんです?」
カワノの
「この
ここで、言葉を
「
過酷な境遇を、さらりと流す
「「
イワノとカワノ冷たな声音に、会話からパンドラを
「怒るな女子ズ。
「おい、さりげに黒歴史ぶっ込んだぞ? この
「
「痛い痛い痛ぁ~い」
少年の姿で、これをされると割りと痛い。
「
「気負ってッ! 全力で気負ってッ!」
カヅチは悲鳴。
「え、俺が撃退するんじゃ駄目なんスか?」
ヤチホコは、
「いいよ」
パンドラは了承、
「ただし、神の
「いいッスよ」
ヤチホコ。
「「じゃあ」」
ここで、キンとギン、
「俺もッ!」「あたしもッ!」
面白そうな冒険に参戦。
「ま、負ければ…死ぬんだよ?
パンドラは
イワノは嘆息、
「チビたち
「まあ
カヅチも参戦。
「達する。
カワノが作戦の開始を宣言して参戦した。
「ゆけぇいッ!
「「
キンとギンはノリノリだ。
「「「「それやめてッ! マジでッ!」」」」
四人は
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